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あなたの健康百科 by メディカルトリビューン

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協会×日の丸交通×ローソンの取り組みでメタボ運転手が減少

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食・楽・健康協会イベントで報告

 11月14日の世界糖尿病デー前後には、全国でさまざまなイベントや講演会などが催された。その一つが、糖尿病の専門家である山田悟医師(北里研究所病院糖尿病センター長)が理事長を務める「食・楽・健康協会」が11月13日に東京都内で開いたイベント「ロカボライフで健康革命」。同協会とタクシー大手の日の丸交通、コンビニエンスストア大手のローソン共同の取り組みで、タクシー乗務員の血糖値が改善したことなどが報告された。

低糖質パン購入額をポイントで全額還元

 同協会は、2年前の世界糖尿病デーに発足した一般社団法人。1食20~40グラム程度の緩やかな糖質制限食を「ロカボ食」として提唱し、社会への普及を推進している。

 13日のイベントでは、同協会の会員企業が「ロカボ食」など自社製品を出展。また山田理事長は、今年8月から同協会が日の丸交通、ローソンとともに取り組んでいる「メタボ社員ZEROプロジェクト」について紹介した。

 このプロジェクトは、健康診断でメタボリックシンドロームと判定された日の丸交通のタクシー乗務員に生活習慣を指導し、血糖値などの改善を図るというもの。生活習慣の指導は、セミナーを1回受講→日々の食事記録をファクスで送信(週1回)→専門家がアドバイスで、ローソンで「ブランパン」(低糖質パン)を買うとポイントカードに購入金額と同額のポイントが付与される取り組みも同時に行われた。

3カ月でHbA1cが7.4%→6.5%

 その結果、ローソンでの購入状況を見ると、生活習慣の指導後に「ブランパン」を中心としたパン類、サラダを中心とした総菜の割合が上昇、ご飯やアイスクリームの割合が減ったという。

 40人のうち、積極的に生活習慣の改善に取り組んだのは14人(35%)、指導前に血糖値の異常が認められた15人では5人(33%)。これらの人では、指導前は血糖の状態を表すヘモグロビン(Hb)A1cが平均7.4%だったが、3カ月後には6.5%へと改善した。

 山田理事長は、この結果について「(こうした取り組みを日本全体で行えば)医療費を年間1,500億円近く削減できる可能性がある」との試算を示し、多くの労働現場で取り組む価値があると提言した。同プロジェクトは、来年度にはタクシー・ハイヤー業界全体に広げる予定という。

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