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ボンジュール!パリからの健康便り

コラム

テロの傷痕残るパリ…安眠用アロマスプレー売り切れ

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 犠牲者の方々へ心よりご冥福をお祈りいたします。

 あの無差別テロの大惨事から1週間以上が経過した今も、まだ生々しい傷跡が残るパリ。仕事も学校もスーパーも普通に再開しているし、メトロもバスも普通にみな使用している。でも心のどこかで、「いつまたどこかで…」という不安いっぱいなことは確かだ。

 テロのあった翌日、どうしてもメトロに乗らなければならなかった友人がいた。彼女の話では、少しの異変で車内がザワつき、少しの物音で車内にいる人全員が立ち上がるという緊迫状態だったという。

 SNSやフェイスブックなどで「テロに屈しない」という言葉が飛び交ったが、実際に自分の身にいつ何が起きるかはだれにもわからないし、安全の保証もない。近くの薬局の話では、アロマテラピーや睡眠導入剤などが売れていると聞いた。レジの近くに安眠用のアロマスプレーが置いてあり、ほぼ売り切れ状態であった。まるで、バゲットを買うように売れている、という。

 昼間は普通の人通りの道も、夜は心なしか人通りも少なく、外出を控えている人が多いのではないかと感じる。私も夜の外出は控えている。そして、今年1月にあったシャリー・エブド襲撃事件の時と同じように、しばらくは外では携帯電話を取り出さないことにした。電話をしたり、メールチェックしたり、イヤホンで音楽を聴いたりしていると、集中力が欠けて、周囲の異変に気がつくのが遅くなる、と思うからだ。

 今回の大惨事で犠牲者になった友人は一人もいなかった。しかし、友人の友達や友人の同僚などが被害に遭い、亡くなっていた。助かった人もいた。同僚の友人ご夫妻はその日、バタクランの劇場の中いた。ちょうど非常口の近くだったことが幸いして、異変に気がついた奥様がすぐに脱出した。しかし、その直後、「動いたら殺す」という声がご主人の足を凍りつかせた。銃声が鳴り響く中、全身を震わせてご主人の無事を祈る。しばらくして、ご主人が非常口から脱出した。しかし、全身血だらけのその姿から、しばらくはご主人が無傷であることに気がつくことができなかったという。言葉を失い、硬直したご主人を警察が保護した。

 間接的にこういった話を聞くこともあり、やはりとても穏やかな気持ちではいられない。毒ガスや細菌などを使う、化学兵器や生物兵器を使って攻撃してくるのではないか、という不安もある。フランス保健省によれば、こういった化学兵器や生物兵器に対応するための準備がされており、SAMU(救急医療サービス)などの出動準備も完備しているという。いつになったらこの不安と緊張から解放されるのだろうか。

 13日の夜から始めた写経を毎日続けている。ご冥福をお祈りするとともに、世界平和を願ってやまない。

■今週の一句

神の留守 息ひそめるや シャンゼリゼ

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ボンジュール!パリからの健康便り_古田深雪_顔120px

古田深雪(ふるた みゆき)

1992年渡仏。
1997年より医療通訳として病院勤務。

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1件 のコメント

お見舞い申し上げます

セントパンクラス

イギリスよりフランスの皆様にお見舞い申し上げます。イギリスでは、パリでの惨劇をニュースで見た子供たちがチャイルドライン(子供専用の悩み相談電話)...

イギリスよりフランスの皆様にお見舞い申し上げます。
イギリスでは、パリでの惨劇をニュースで見た子供たちがチャイルドライン(子供専用の悩み相談電話)に「第三次世界大戦が始まったのか?」などと不安を訴える電話が何万件もあったそうです。2005年のロンドン同時テロの時はそのような話は聞きませんでした。周囲の大人がまず子供たちの不安を取り除いてあげるべきだと思います。
次こそロンドンで再び大規模テロが起きると言われて久しく、ロンドン在住の日本人コミュニティの間では「この週末は危ないので外出しない方がいい」という噂話が飛び交っています。何の根拠もなく矢鱈不安を煽るような噂を流す人がいるのが信じられませんが、この手の噂話は二十数年前からありましたね。

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