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日本の糖尿病人口、世界ワースト9に―国際糖尿病連合調べ

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前回調査の10位から再上昇

 国際糖尿病連合(IDF)は11月14日の世界糖尿病デーに合わせ,世界の糖尿病の患者数や医療費などをまとめた「糖尿病アトラス第7版」の概要版を発表した。それによると、2015年の世界の糖尿病患者(20~79歳)は4億1,500万人で,昨年の3億8,700万人から2,830万人増加。国別のワーストランキングでは、日本が前回調査の10位から9位に上昇した。なお、アトラスの全文(英語版)は12月1日に公開予定としている。

世界の11人に1人が糖尿病

 「糖尿病アトラス第7版」によると、2015年の20~79歳の糖尿病患者数は4億1,500万人で,世界の成人のほぼ11人に1人が糖尿病であると推定された。このうち46.5%(1億9,300万人)が受診していないとされ、”糖尿病予備軍”とされる耐糖能異常の人も3億1,800万人に上るとしている。

 日本の成人糖尿病患者は720万人。数に大きな変動はないものの、2014年発表の調査から順位を一つ上げ、2012年発表の調査以来となるワーストランキング9位だった。ワーストランキング1~4位は前回調査と変わらず、中国、インド、米国、ブラジルが並び、前回ワースト10圏外だったロシアが再び5位にランクイン。8位だったドイツ、9位だったトルコがワースト10圏外となった。

中国1億960万人
インド6,920万人
米国2,939万人
ブラジル1,430万人
ロシア1,210万人
メキシコ1,150万人
インドネシア1,000万人
エジプト780万人
日本720万人
10バングラデシュ710万人

糖尿病関連医療費で日本は世界4位

 さらに、世界の糖尿病患者数は2040年までに3割増の6億4,200万人に達すると予測。これに伴い、糖尿病に関する医療費も2015年の6,730億ドル(約82兆9,600億円)から2040年には8,020億ドル(約98兆8,600億円)に増える見込みとしている。なお,2015年の時点で糖尿病に関連した医療費は、世界の医療費の12%を占めていた。

 糖尿病関連の医療費で、日本は290億ドル(約3兆5,700億円)で世界4位。第1位は、世界の約半分を占める3,200億ドル(約39兆4,300億円)の米国だった。2位は中国、3位はドイツとなっている。

米国3,200億ドル
中国510億ドル
ドイツ350億ドル
日本290億ドル
ブラジル220億ドル
フランス190億ドル
カナダ170億ドル
ロシア140億ドル
英国130億ドル
10イタリア120億ドル

“生活習慣病が原因でない糖尿病”も増加傾向

 アトラスではこのほか,生活習慣が原因でない1型糖尿病患者が増えつつにあることに言及。特に、子供の患者(0~14歳)は世界で54万2,000人に上り,年間8万6,000人が新たに診断されていることを指摘している。

 また,国際糖尿病連合からのメッセージとして,「糖尿病患者の4分の3は低・中所得国の患者が占めている」「新生児の7人に1人が妊娠糖尿病の母親から出生している」「6秒に1人,年間500万人が糖尿病によって死亡している」―ことなどが挙げられている。

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