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原記者の「医療・福祉のツボ」

医療・健康・介護のコラム

貧困と生活保護(16) 生活保護だと、いくらもらえる?

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生活扶助の各種の加算

 ▽児童養育加算

 中学校修了前の年齢の子どもを育てている世帯に、次の額が加算されます。

<児童養育加算>  月額
3歳未満 15000円
3歳~小学生の年齢(第1子・第2子) 10000円
      〃      (第3子以降) 15000円
中学生の年齢 10000円

 金額は、児童手当と同じです。児童手当は子どもの健全育成が目的で、生活保護世帯も受け取り、それは世帯の収入として認定されるので、その分、生活保護の額を増やすということです。

 ▽母子加算(ひとり親の加算)

 子どもが18歳になった年度の末まで(障害児は20歳未満まで)、以下の額が加算されます。

<母子加算> 1級地 2級地 3級地
子ども1人の場合 22790円 21200円 19620円
子ども2人の場合 24590円 22890円 21200円
3人目から加える額 920円 850円 780円

 母子世帯だけでなく、父子世帯や、父母のどちらかが重い障害、長期入院、行方不明、刑事拘禁中のとき、DVで保護を受けているときなども適用されます。要件は児童扶養手当とほぼ同じで、保護世帯が受け取った児童扶養手当は収入認定されますが、所得保障を目的とした児童扶養手当と生活扶助の1類・2類は意味の重なる部分があることから、児童扶養手当より少ない加算額となっています。

 このほか、障害者加算、妊産婦加算、在宅患者加算、放射線障害者加算(被爆者を含む)、介護保険料加算などがあります。介護保険は生活保護でも通常と同様に加入し、保険料の額は生活扶助に上乗せされます。サービスを利用する時は介護扶助が適用され、自己負担がゼロになります。

教育扶助の金額

 小学校、中学校の子どもがいるときは、次の教育扶助(月額)があります。学習支援費は、参考書やクラブ活動のための費用です。

<教育扶助> 小学校 中学校
基準額 2210円 4290円
学習支援費 2630円 4450円

 ほかに学校で購入する教材代、学校給食費、通学交通費、校外活動参加費、学級費(生徒会費、PTA会費など)が実費で支給されます。保護世帯の場合、これらの費用は市区町村による就学援助ではなく教育扶助で負担し、就学援助からは修学旅行代だけが支給される運用になっています。

住宅扶助の限度額

 賃貸住宅や借家に住んでいる場合、実際にかかる家賃や地代が住宅扶助として給付されます。もちろん、いくらでも高い家賃が出るわけではありません。地域ごとに、世帯の人数に応じた住宅扶助の限度額が定められています。いちばん高いのは東京23区や川崎市など、いちばん安いのは富山県の一部、次いで鹿児島県の一部です。例外的な事情があるときは、より高い特別基準額まで認められます。地域ごとの具体的な額は、2015年4月14日社会・援護局長通知の別表を見てください。

 住宅扶助の限度額は、2015年7月から引き下げられました。ただし経過措置として、条件を満たす場合は、従来の家賃水準で住宅扶助を受けることも認められます。

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原昌平20140903_300

原昌平(はら・しょうへい)

読売新聞大阪本社編集委員。
1982年、京都大学理学部卒、読売新聞大阪本社に入社。京都支局、社会部、 科学部デスクを経て2010年から編集委員。1996年以降、医療と社会保障を中心に取材。精神保健福祉士。社会福祉学修士。大阪府立大学大学院客員研究員。大阪に生まれ、ずっと関西に住んでいる。好きなものは山歩き、温泉、料理、SFなど。編集した本に「大事典 これでわかる!医療のしくみ」(中公新書ラクレ)など。

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