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Dr.徳田の「総合診療の出番です」

からだコラム

[Dr.徳田の「総合診療の出番です」]病気の診断 決め手は?

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 セカンドオピニオン外来を受診した40歳代女性。数年前から胸や背中の痛みと違和感を訴えていました。複数の病院で心電図やエックス線、CT検査、血液検査などを受けても原因がわからず、総合内科を紹介されたのです。

 総合診療ではまず、丁寧な問診から始めます。病気の診断で最も重要です。それだけで終わりではありません。問診で立てた仮説を身体診察で検証していくのです。

 女性が不眠や不安を訴えていることや、痛みの様子から、心理的な要因が関係するという仮説が出てきました。そこで身体の診察を行います。全身の外観の評価から始まり、血圧や脈拍、呼吸、体温を測り、頭から手足の先までの体の各部分を入念に調べます。

 胸の診察では、聴診器が活躍します。心臓と肺は動きのあるダイナミックな臓器で、動く時に出る異常な音の情報を捉えることでヒントがみつかることがあります。

 胸からクリック音と呼ばれる異常な音が聴かれました。僧帽弁逸脱といって、心臓の左心室と左心房の逆流を防ぐ弁の一部が、収縮する途中ではみ出すものです。

 僧帽弁逸脱は2~5%の人に見られますが、それだけなら治療の必要はありません。ただ、不安やストレスなどが加わると、胸や背中の痛みを訴える人がいます。心理カウンセリングで女性の症状は良くなっていきました。

 医師は、患者さんが診察室に入ってくる仕草や面接中の表情、話し方、言葉の内容などを観察しており、問診と身体診察を同時並行で行っています。病気の診断は検査でつけるもの、と思う方も多いかもしれませんが、実際には問診と診察で8割が可能です。問診と診察を行わずに過剰な検査を乱発すると、ときにミスリードし有害となることもあります。(徳田安春・地域医療機能推進機構顧問)

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