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北斗晶さんのエールも話題…「母乳信仰」のデメリット検証

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完全母乳育児でくる病や低カルシウム血症に?

 北斗さんがブログにつづったように、母乳の出る量は個人差が大きく、または母乳を与えることで乳首に痛みを感じたり、母体の健康を損なったりするケースもある。そこで粉ミルクに頼ることになるが、完全母乳育児の「幻想」のせいで周囲から批判され、また自身でも気を病んでしまうこともある。

 一方で、粉ミルクを使うことのメリットも多い。栄養面では、まず母乳と遜色がない高い栄養素を含む粉ミルクが多く流通している。また、メーカーによって栄養素の内容量も違うので、乳児の健康状態や成長過程に合わせ医師と相談の上で「どの栄養素が多いものを与えるか」を選択することもできる。

 さらに、完全母乳育児で育てられた赤ちゃんが「くる病」「低カルシウム血症」「ビタミンD欠乏症」にかかる例が増えているが、これは母乳にはビタミンDがあまり含まれていないためといわれている。粉ミルクならばビタミンDを含んでいるものが多くあり、くる病などの予防に有効だろう。東京大学病院小児科の北中幸子准教授によると、「ビタミンD欠乏症を発症する子供の大半は母乳栄養児」という。

 余談だが、2011年の東日本大震災と福島第一原発事故の影響で、震災後に乳幼児をなるべく外へ出さないようにしたところ、くる病などを発症するケースが増えたという。日光浴もビタミンDを増やす効果があるため、夏でも十数分、冬なら1時間程度の日光浴が推奨されている。

粉ミルクがお母さんのストレスも減らす

 栄養面以外でも、粉ミルク使用のメリットは多い。完全母乳育児の場合、母乳を与えるのは必然的にお母さんだけとなるが、この場合は育児がお母さん一人に完全に依存してしまう。四六時中赤ちゃんのそばに付きっきりで、夜も満足に眠れず、結果として育児疲れから倒れてしまうケースは少なくない。粉ミルクを使えば、お父さんや家族の手助けを得ながらの育児が可能となる。

 デメリットとしては、当然のことながら粉ミルクを購入する費用がかかること。また、赤ちゃんがおなかをすかせて泣きだしたとき、母乳ならすぐに与えられるが、粉ミルクの場合は作る手間と時間がかかる。外出時にも粉ミルク、お湯、哺乳瓶など荷物が増えてしまう。

 また、低品質なものを与えれば、健康面でも問題が起きる可能性はある。例えば隣国・中国では、国内で製造されている粉ミルクの質が悪いため、日本製の粉ミルクに人気が集中しているという。一時期、中国の観光客が日本製の粉ミルクと紙おむつを大量購入していく光景が話題となったが、WHOが母乳育児を推奨する理由もここにある。

 恐らく、粉ミルク育児の最大のデメリットは「母乳で育てなければ母親失格」といった、母乳信仰から来る精神的な疲労やストレスだ。しかし、前述のように母乳だけでは足りない栄養素もあり、栄養面でもほとんどの日本製の粉ミルクに問題はない。何より「粉ミルクだけで育てた子供は、今では私より大きくなった」という北斗さんのエールは、粉ミルクに頼らざるを得ないお母さんにとって、大きな救いとなったことだろう。

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kenkohyakka

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