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予防医学研究者・石川善樹の「続けたくなる健康法」

コラム

あふれる「健康情報」、見極めるポイント

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 こんにちは。

 予防医学研究者の石川です。

 今日は、健康情報をどのように見たらいいのか、という点についてお話ししたいと思います。というのも、私たちは日々、膨大な量の健康情報に接しているものの、その真偽をどう確かめたらいいのか、あまり習ったことがないからです。

 たとえばコマーシャルなどをみていると、「ビフォー・アフター・アフター」という手法が使われていることに気が付きます。

 聞いたことがない言葉だと思いますので、簡単に説明させてください。通常は、次のような「ビフォー・アフター」が使われます。

 ビフォー:「膝が痛くて……」というAさんが登場

 アフター:「○○を飲むようになったら、膝の痛みが楽になりました!」というAさん

 しかし、先ほど述べた「ビフォー・アフター・アフター」とは、さらに続きがあるのです。たとえば、「膝が楽になったことで、ハリをもって毎日を過ごせるようになり、人生が変わりました!!」というような、単に最初の悩みが解決される以上の劇的な「アフター」を見せるという手法が、しばしばコマーシャルなどでは使われます。

 もちろん、画面の下の方には小さな文字で、「あくまで個人の感想です」と入っています。しかし見ている方としては、「そうか、○○を飲めば、膝の痛みがとれるだけでなく、人生まで楽しく変わるかもしれない!」と錯覚を起こす可能性が高いわけです。

 ここで私が言いたいのは、その宣伝がうそだということではありません。世の中にはたくさんの人がいるので、もちろんある一定の割合で、「○○を飲む」ことで人生まで劇的に変わった人がいることは否定できません。

 ただ、そのような「ビフォー・アフター・アフター」の手法で宣伝されているある商品○○が、本当にどれだけ多くの人に通用するかどうかは、厳密な研究をしてみないと分からないものです。

 もちろん、薬などのような場合は、そのような研究が行われるのですが、私たちが普段目にする健康商品などは、薬ほどの厳密な研究がおこなわれている可能性は低いです。

4つのチェックポイント

 そこでぜひみなさんにお勧めしたいのが、次のチェックポイントを参考にしながら、宣伝を見ていくということです。

 1)自分と似たような人が研究対象になっているのか?

 2)実際にどれくらいの頻度・量でその商品を使うと効果があったのか?

 3)その宣伝では、同様の効能があるとされる別の商品と効果を比較しているか?

 4)その商品の効果は、どのくらいの期間持続したのか?

 ぜひ上記のポイントを押さえながら、実際にどのような研究を基にその商品が宣伝されているのか、確かめてみてはいかがでしょうか? たとえば、上記1)のチェックポイントを調べてみて、もし自分と違うプロフィル(性別、年代など)の人が研究対象なのであれば、その商品が自分にも効果があるのかは不明ということになります。

 ……とはいえ、なかなか自分で調べるのは難しいので、実際に商品をつくっているメーカーに問い合わせるのが一番早いと思います。

 たとえば「特定保健用食品(トクホ)」であれば必ず研究が行われています。そのため、上記チェックポイントを押さえることで、果たして自分にも効果がありそうかどうか、効果があるならどのくらいその商品を使うと、どれくらいの期間効果が続くのかが分かります。一方で、そもそも研究がないということは、効果があるかどうかは不明なので、研究によって同様の効果が確認されている他の商品を試す方が安全と言えるでしょう。

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予防医学研究者・石川善樹の『続けたくなる健康法』_顔120px

石川善樹(いしかわ よしき)

 予防医学研究者・医学博士。(株)Campus for H共同創業者。1981年 広島県生まれ。東京大学医学部健康科学科卒業、ハーバード大学公衆衛生大学院修了後、自治医科大学にて博士(医学)取得。「人がより良く生きるとは何か」をテーマとして、企業や大学と共同研究を行う。専門分野は予防医学、行動科学、機械創造学、マーケティング等。

 著書に「疲れない脳をつくる生活習慣」(プレジデント社)など。最新刊「ノーリバウンド・ダイエット」(なとみみわさんとの共著、法研)が2017年1月19日に発売。

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1件 のコメント

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それは一般論にすぎない

bt

「エビデンスの有無を指標にすべき」という主張だとお見受けするが、その代表例であるトクホでさえ全く信用できないのが日本の現状。だから多くの人が路頭...

「エビデンスの有無を指標にすべき」という主張だとお見受けするが、
その代表例であるトクホでさえ全く信用できないのが日本の現状。
だから多くの人が路頭に迷っているわけだ。
見極めるポイントを述べるのなら、もっと有用で的確な視点を求める。

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