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胃もたれ解消

元気なう

(1)不調の原因「機能異常」

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 食欲の秋。おいしい物をたくさん食べたくなる季節だが、約1000万人が胃もたれ、胃痛、食欲不振など、胃に問題があるという。

 「胃カメラや内視鏡などで診察しても、胃はきれいで異常が見つからないのに、胃の不快を訴える患者さんが少なくありません」。北里大学医学部外科学専任講師(上部消化器外科)の山下継史けいしさんはこう話す。

 医療現場ではこれまで、不調を訴えても明らかな病変が見つからないと、「慢性胃炎」とするケースや、精神的なものだとして「神経性胃炎」と診断されるケースがあった。

 しかし、不調の原因が、胃の消化などの機能異常によるものとわかってきた。2013年から、消化不良を意味する「ディスペプシア」と合わせて、「機能性ディスペプシア」という新しい病名と、治療薬が使われるようになった。

 その新薬は、世界初の「機能性ディスペプシア」治療薬で、健康保険の適用になっている。聞き慣れず、胃の病気とはわかりにくい病名だが、慢性的な胃の不調に悩む人には朗報だ。

 この病気の症状は、〈1〉食後のつらい胃もたれ感〈2〉すぐおなかいっぱいになる早期満腹感〈3〉みぞおちの差し込むような痛みや、焼ける感じ――がある。このうちの一つ以上の症状が半年以上前から始まり、3か月以上続いていて、胃がんや胃潰瘍など原因となる病気がない場合、「機能性ディスペプシア」と診断される。

 「この病気の概念が学問的に証明されて確立した意義はある。気のせいと片付けられていた患者さんにも、より的確な治療ができるようになりました」と山下さんは評価している。

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