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原記者の「医療・福祉のツボ」

コラム

貧困と生活保護(12) 丸裸になってからの保護でよいのか

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 生活保護を受けるときの要件のひとつは、その世帯が持っている資産の活用です。

 現金、預貯金、不動産、自動車、家財道具、掛け捨てでない保険などの保有が、どれぐらい認められるのかが問題になります。

 簡単に言うと、現金・預貯金の保有限度額については、非常に厳しいのが現状です。自動車の所有も、かなり厳しくなっています。

 一方、住んでいる持ち家や耕作中の田畑は、所有したまま保護を受けられるのが原則です。いま持っている家財道具や電化製品も、一般的なものなら、手放さなくて大丈夫です。

申請時の手持ち金の目安は、保護基準の1か月分

 生活保護の対象になるかどうかは、その世帯の1か月あたりの収入と、必要な最低生活費=生活保護基準額(家賃・医療費・介護費を含む)を比べて判断します。収入や医療費は月によって変動するので、過去3か月平均で見ますが、大きく変わる事情があれば、実情にあわせて判断します。

 そのとき、手持ちの現金や預貯金の扱いは、どうなるのでしょうか。

 結論から言うと、現金・預貯金があるとき、生活保護を申請して認められる実際上の目安は、保護基準額の1か月分です。それを上回る現金・預貯金があると、申請しても却下されます。先に手持ち金を使って生活しなさい、ということです。

 実は、厚生労働省は、資産による保護の要否判定の線引きをはっきり示していません。明示しているのは、保護を開始するとき、保護基準額の5割を超える手持ち金があれば、超えた部分を収入として認定し、最初に支給する保護費を減らすということです。

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原昌平20140903_300

原昌平(はら・しょうへい)

読売新聞大阪本社編集委員。
1982年、京都大学理学部卒、読売新聞大阪本社に入社。京都支局、社会部、 科学部デスクを経て2010年から編集委員。1996年以降、医療と社会保障を中心に取材。精神保健福祉士。社会福祉学修士。大阪府立大学大学院客員研究員。大阪に生まれ、ずっと関西に住んでいる。好きなものは山歩き、温泉、料理、SFなど。編集した本に「大事典 これでわかる!医療のしくみ」(中公新書ラクレ)など。

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