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がん、どう乗り越える? 川島なお美さん、北斗晶さんの事例から学べること

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◆2年に1度のマンモグラフィーが基本

(図1)BS日テレ「深層NEWSより」

 厚生労働省が定めた指針では、40歳以上の女性を対象に、2年に1回、マンモグラフィー検診を受けることを推奨しています。乳がんの8割を占める進行の緩やかながんはそれで発見できますし、マンモグラフィー検診を受けることによって乳がんによる死亡率は下がるという科学的な証拠があります。

 ただ、進行の早いタイプの乳がんは、それだけで見つけることはできません。

 では、マンモグラフィー検診を1年に1回、あるいは半年に1回というように、頻度を上げればいいのかと言えば、そうではありません。エックス線を使う以上、被曝ひばく量のことを考慮しなければならないからです。国の指針が40歳以上を対象にしているのも、40歳未満だとお乳の中が張っていて分かりにくいというだけでなく、乳がんの発症は40代に急速に増えるので、乳がんができにくい40歳未満の女性にとっては、マンモグラフィー検診で無用に被曝するマイナスの方が大きくなるためです。

 もちろん、20代、30代で乳がんにかかる人もいます。けれども、がん検診はあくまでもプラス、マイナスを考えて、できるだけプラスにするという発想なのです。一定のリソースの中で、合理的な範囲で死亡率を下げるためのものです。全てのがんを発見できるわけでもなく、また、がんによる死亡をゼロにすることもできない以上、がんによって死亡する可能性を大きく下げることが、目的になります。毎月検診することは、費用対効果という意味でも、時間的にも精神的にも、見合いません。

 ですから、全体としてみれば、40歳以上の女性が2年に1回のペースでマンモグラフィー検診を受けることを基本的に守っていただき、それでも見つからないタイプのがんがあるということも、併せて知っておいていただくことが大事ではないかと思います。

◆毎月、自分で触診を

 最近の研究では、マンモグラフィー検診に超音波によるエコー検査を加えることで、早期発見が増えるというデータはあるものの、死亡率を下げるという一番の目的を果たすための基本は、マンモグラフィー検診です。ただ、日本は少し、乳がん対策としてマンモグラフィー検査ばかりを強調してきたところがあります。これとセットで行っていただきたいのが、毎月、自分で触って確かめる自己触診です。

 生理のある方は、できれば出血が終わってから4、5日目ぐらいに触ってもらうのが一番いい。これはホルモンとの関係で、感触が一番分かりやすい時期だからです。横になって、少し腕を上げ、手のひらで触っていただく。わきの下はリンパ腺なので、そこだけを触るのでは不十分です。お乳全体を触ってください。これを毎月やれば、ご自身のお乳のさわり心地、触った感触を覚えます。その感触が違ったら、すぐに病院に行ってください。携帯のカメラでいいので、お乳を「自撮り」しておくと、形の変化が分かります。いつもと違う感触があった時には、その部分を指して「自撮り」し、翌月にまたそこを触って、また感触が変わっているようなら、病院に行ってもらいたいと思います。

 がんがかなり進行している場合には、乳首が陥没したり、出血性の乳汁が出たりすることはありますが、早期の段階で、しこり以外に出てくる症状はありません。ですから、基本は月1回の自己触診とマンモグラフィー検診で、これによって大きくリスクは下がります。

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