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がん、どう乗り越える? 川島なお美さん、北斗晶さんの事例から学べること
女優の川島なお美さんが胆管がんで急死し、タレントで元プロレスラーの北斗晶さんは毎年検診を受けながら乳がんで全摘手術を受けるなど、早期発見が難しいがんの存在が、改めてクローズアップされている。胆管がんでは、柔道の金メダリスト斉藤仁さんや、任天堂社長だった岩田聡さんも亡くなっている。こうしたがんに、どう向き合っていけばいいのか。厚生労働省がん対策推進協議会委員を務める中川恵一・東大病院放射線科准教授が今年5月に続くBS日本テレビ「深層NEWS」の出演で、がん検診の受診率向上を改めて訴えるとともに、生活習慣の改善が最大の予防であることを強調した。(構成 読売新聞編集委員 伊藤俊行)
――番組では、小西美穂キャスターが北斗晶さんの乳がん手術までの経緯を紹介した。北斗さんは毎年秋、乳がん検診と婦人科検診を受けており、2014年秋も、例年通りに受診した。その後、2015年はじめごろ、右胸に「ちくっとする痛み」を感じ、春ごろには右の乳頭の位置が以前と違っているのではないかと思った。ただ、触ってみても、しこりらしき感触はなかった。ところが、夏前になって「ちりちりする痛」みを感じ始め、病院に行ったところ、既に直径2センチ大の乳がんがあることが分かった。なぜ、毎年検診を受けているのに、これほど進行するまで発見できなかったのか――。中川氏が解説した。
◆徐々に進行する乳がんにも、2割の例外
乳がんの場合、約8割は徐々に進行します。肺がんでも、子宮
ただし、少数ながら、非常に短期間に急激に進んでしまうタイプのがんもあります。私は北斗さんの症状を詳しく把握しているわけではありませんので、その前提で申し上げると、進行の早いタイプのがんだと、毎年マンモグラフィー検診を受けていても、あるいは、半年に1回検診を受けていても、見つからない可能性があります。
北斗さんは「痛みを感じた」とおっしゃっていますし、乳頭の位置が変わっていると感じたということでもありますから、その時点で、早期とは言い難い、進行した状態になっていたのではないかと思います。
一方、しこりを感じなかったという点は、見つかりにくいところに乳がんが出来ていた可能性があると思います。乳がんが発見されるケースの56%は、「自己触診」によるものです。がんは硬いので、乳腺とは明らかに違いが分かります。がんがあれば、自分で触って、しこりのようなものを感じます。私の友人でもあるタレントの山田邦子さんの表現を借りれば、「肉まんの中に、硬い柿の種がある」という感じです。江戸時代には、乳がんを「乳の岩」と書いていました。
ところが、北斗さんの場合、触ってもしこりを感じなかったとおっしゃっています。乳頭の位置が変化していたということからしても、がんが乳頭の直下、すなわち、乳首のすぐ下や奥側にあって、触ってもなかなか見つけにくかった可能性があります。
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