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グッピーでデング熱対策

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 デング熱が流行する台湾南部の高雄市を7月に訪れると、「生物防治法」という名前の風変わりな予防策が広まっていた。

 市の職員が、クーラーボックスに熱帯魚のグッピーを入れて団地に運ぶ。地下室にある水たまりを点検しては、金魚すくいよろしく小皿で熱帯魚をすくい、ヒョイと放り込む。デング熱のウイルスを人にうつす蚊の幼虫や卵を、食べてもらおうという作戦だ。

 高雄市の古い団地には、ふだん使われない地下室が多くある。地下室に流れこんだ雨水が作る水たまりは、蚊の発生源となる。

 蚊の羽化を防ぐ薬は月に1~2回まく必要があり、費用もかさむ。グッピーなら1匹5円。えさ代も不要、暖かい台湾では多くが越冬する。市は市内45か所で実施し、希望する市民にはグッピーを配る。市は、蚊の幼虫を食べる動物プランクトンの放流も検討しているそうだ。

 台湾にはデング熱患者を通報した人に最大4000台湾ドル(約1万5000円)が支払われる制度がある。市は今年から、患者が発生した場所に蚊の絵と「登革熱(デング熱)」の文字を大書した黄色い旗を掲げ始めた=写真=。

 旗が立った市場には「人が集まらない」と不満をこぼす人もいたが、行政の危機感は強い。「日本も人ごとではないな」と思いながら、妙にかわいく描かれた旗の蚊の絵に見とれてしまった。(科学部 江村泰山)

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