予防医学研究者・石川善樹の「続けたくなる健康法」
医療・健康・介護のコラム
いま、この瞬間を生きる
こんにちは。
予防医学研究者の石川です。
実はいま、サンフランシスコに来ているのですが、時差ボケの影響でなかなか寝られず、深夜にこのブログを書いております。
ところでなぜサンフランシスコにいるかというと、グーグル社で開発された、「Search Inside Yourself」というリーダーシップ研修に参加するためです。
「すべてのリーダーが、賢く、そして思いやりをもつことが、世界平和の礎となる」
という壮大な理念を掲げたこの研修では、賢く、そして思いやりを持つためのトレーニングを受けることになります。
リーダーシップというのは、役職によらず発揮するべきものとの考えられていて、ここでの「リーダー」はすべてのレベルのビジネスパーソンを指しているようです。
ちなみにこの研修の開発者であるメンさん(グーグル社107番目の社員)は、その様々な功績が認められ、今年のノーベル平和賞の候補にもなっているそうです!
研修の中心は「マインドフルネス」といって、端的に言うと「いま、この瞬間を、ありのままに受け入れること」を練習します。ただ、口で言うほど易しいものではなく、実際はかなり難しいものです。
たとえば、私たちはよく、「正しいのは自分で、悪いのは相手だ」といってよく人を非難したりします。あるいは上司と部下の関係であれば、「使えない部下だ」とか、「最悪の上司だ」とかいって、批判しあったりします。
このような事例を取り上げて、「そのような状況ではどのような思考・感情のプロセスが働いているのか、なるべく主観を除いて観察・受容する」練習をするのですが、これがなかなか一筋縄ではいかないのです。
なぜなら、米国の著名な心理学者、ヴァージニア大学のティモシー・ウイルソン教授によれば、私たちの行動や思考、感情のパターンは、90%近くも無意識で行われていると述べています。そのような無意識で行われているものを、改めて観察し、さらにはなんの感情や思考も働かせずにただ受け入れろと言われても、至難の業なのです。
偉大なリーダーは自分には固執しない?
昔からリーダーシップ論の中では、人間の成長とは、「自己中心性からどれだけ離れられるか」だと言われているようです。確かに、歴史に名を刻むような偉大なリーダーたちは、たとえばガンジーのようにどこまでも自分には固執しなかった人たちだったような気がします。
そのような意味で、自分が無意識のうちにとらわれている思考や感情のループから抜け出し、一歩引いたところから見ることができるようになると、ちっぽけな自分に固執することも少なくなっていくのだと思います。
すると、日々のイライラや落胆から解放され、心穏やかに生きられるような気がするのですが・・・なかなか「いま、この瞬間を、ありのままに受け入れる」のは私のようなちっぽけな人間にとって難しいものです。
ということで、今回はグーグル社が開発したリーダーシップ研修の話を中心にしましたが、その中身をみると、こころの健康づくりにつながるような内容でもあったので、ご紹介させて頂きました。
また本ブログでも、私がどれだけ自己中心性から離れられるようになったのか、ご報告していきたいと思います!!
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言葉の大切さ
ぷかぷか
社会の中には身体を痛めつける暴力以上に、心を拳で殴られるような「言葉の暴力」が存在しますね言っている本人は無意識ですその言葉の暴力に対して我慢を...
社会の中には身体を痛めつける暴力以上に、心を拳で殴られるような「言葉の暴力」が存在しますね
言っている本人は無意識です
その言葉の暴力に対して我慢をしたり反論したり
しかし、そんな状況が続くとストレスになり身体にとても悪影響
そして私も病気になった経過があります
今は、言葉の大切さを教えてくれた多くの方や、「言葉の大切さ」を認識している多くの友人知人のおかげにより、嫌な言葉を浴びせられても少しずつですが、一呼吸おいて対応できるようになりました
どんな企業や組織でもリーダーの言葉は会社や組織を蝕みます
まるで、人の身体と同じく感じます
先生のブログ 楽しみです
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