文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

はつらつ健康指南

エクササイズ・健康・ダイエット

カボチャ「空中栽培」…北海道長沼町

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック
「上に伸びるにはカボチャもエネルギーを使うので、肥料と水の量がポイント」と高田さん(北海道長沼町で)=清水健司撮影

 全国一のカボチャの産地・北海道が出荷期を迎えた。普通のカボチャは土の上で育つが、長沼町には「空中栽培」を行う農家がある。

 ぶら下げることで、下半分にも日が当たり、全体が鮮やかな色に仕上がるという。頭上においしそうなカボチャがぶら下がる農場を訪ねた。

 農林水産省の昨年の調査では、全国のカボチャ出荷量約16万トンのうち、北海道は約9万トンを占める。道農産振興課によると、昼夜の寒暖差が大きいので、ホクホクしたおいしいカボチャができるという。

 長沼町は新千歳空港から車で50分。肥料等販売業「新生商事」の研究農場に、ビニールハウスからビニールを取り除いたハウス3棟が並ぶ。天井と壁が、カボチャのツルや葉に覆い尽くされているハウスに入ると、カボチャ約2000個がぶら下がっていた。農場長、永森淳也さん(33)は、「腰を曲げずに立ったまま収穫できるし、夏は日光が遮られて涼しい」と笑顔を見せる。

皮が朱色のカボチャ「北の紅」。中は黄色だ

 この栽培法を開発したのは同社社長、高田正衛まさえいさん(64)。1987年に同社を設立し、営業で農家を回るうち、稲の苗を育てるハウスが使われなくなっていることに気づいた。コメの減反政策の影響だ。高田さんは「このハウスでカボチャを育てられないか」と思い立ち、実験を重ねてきた。

 ハウスの骨組みのパイプはネットに覆われ、カボチャの苗を植えるのはハウスの外側。ツルが伸びるとネットに固定し、上へ上へと誘引する。3か月ほどでハウスを覆うほどに成長し、ネットの網目から顔を出したカボチャの実が、ハウスの中でぶら下がるという仕組みだ。実に葉が当たって傷がつかないように、葉を動かすなど、管理も怠らない。

 カボチャは土の上で育てると、土に接して日が当たらなかった部分が黄色くなったり、形が凸凹になったりしやすい。ぶら下げることで全体にまんべんなく日光が当たり、色も形もきれいに整う。

 今年は今月7日に収穫を開始した。高田さんは「平年よりホクホクしていて品質も良いです」と表情を緩ませる。市場では、10キロ約3000円と、土の上で育てたカボチャより高い値段がついた。

 丁寧に育てられたカボチャの名称は「空飛ぶパンプキン」。同社や近隣の農家計8軒で「北海道空飛ぶパンプキン生産組合」を作り、年間7000個ほどを出荷している。

 カボチャは結実からほぼ45日目に完熟するため、結実した日がわかるように、ツルに絵の具で印をつけながら、大切に見守る高田さん。「いつが最もおいしいのか、きめ細かく見て出荷しているのが、私たち生産者の誇りです」と言葉に力を込めた。(吉田尚大)

 メモ 高田さんが好きなのは、砂糖としょうゆで煮たカボチャ。「煮汁がなくなった後、冷めるまで置いておくと味がしみ込んでおいしい」

 高田さんの組合仲間、蝦名敏恵さん(56)(岩見沢市)のお薦めは「かぼちゃ大福」。もち米をつき、蒸してつぶしたカボチャを加えて餅を作る。あんをくるめばできあがり。「ほんのりしたカボチャの甘みが楽しめます」と話す。

 「空飛ぶパンプキン」は、1玉(1.5キロ)とジャガイモ、タマネギ各3キロの詰め合わせが4200円(税込み)。問い合わせは新生商事(0120・57・2432)へ。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

はつらつ健康指南の一覧を見る

<PR情報>

最新記事