きちんと歩く
元気なう
(1)「歩行年齢」測る装置
年をとっても、生き生きと暮らすために重要なのが「歩行力」だ。歩き方には個性があり、正しい歩き方の正解は一つではない。だが、好ましくない歩き方を続けると足腰を痛めたり、転倒しやすくなったりする。
他人の歩き方を見ると「きれいだ」とか「変だ」とか、すぐに分かる。ところが自分の歩き方は、よく分からない。そこで記者は、化粧品などで知られる花王の歩行解析装置「ヘルスウォーク」を体験させてもらった。この装置は、同社パーソナルヘルスケア研究所が開発を進めている。自然に歩ける乳幼児用おむつの開発をきっかけに、歩行の研究に力を入れ、この装置にたどり着いたという。
複数の研究者の協力を得て、老若男女1万人以上の歩行データが蓄積されていて、短時間の歩行測定で「歩行年齢」などを示せる。一般向けの測定はしていないが、「将来的なサービス提供を検討中」と言う。
身長、体重、年齢、性別の情報を装置に入力し、圧力センサーを組み込んだ約2・5メートルのマット上を1往復する。測定値や、歩く姿の動画はすぐにパソコンで確認できる。
加齢の影響は、歩幅や歩行速度に表れる。歩幅は短くなり、歩行速度が落ちていく。
表示された記者の歩行年齢は「48歳」。実年齢と同じだった。悪くはないが、がっかりだ。研究者によると、記者の歩き方は「右足に比べて左足の負担が大きい」ので、「歩幅を広げたり、足をリズミカルに速く振り出したりすることで、より若々しく元気な歩き方になる」のだそうだ。これらの指摘を頭に入れ、もう一度、体験させてもらった。
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