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[動き出す予防医療]副作用の軽減に道筋

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 多くの風邪薬の副作用に、眠気があります。大したことはないと思いがちですが、車の運転をしているときに眠くなったら大変です。どんな副作用も軽く見ることはできません。生命にかかわるような副作用ならばなおさらです。

 主に病院で使われている薬は、患者さん固有の遺伝子型(文字変化)により、〈1〉薬の効き方〈2〉薬の最適な投与量〈3〉副作用の有無と程度――が異なります。患者さんの遺伝子型を検査してから薬の処方を決めることで、効果的な投薬や副作用の回避が可能になってきました。この検査を「コンパニオン診断」と呼びます。米国食品医薬品局(FDA)では、100を超える薬について、この検査を推奨しています。

 遺伝子研究の急速な進展に伴い、このような遺伝的体質と、薬効、副作用の関係に関するデータが急速に蓄積されてきました。そのすべての情報がすぐに指針に掲載されるわけではありません。薬を処方する医師が情報の更新に追いつけないのが現状です。医師には、医療過誤を回避し、より良い治療を提供するための、注意義務があります。情報の蓄積とともに、医師の責任もより重くなっていると言っても過言ではないでしょう。

 医師が薬を処方する際に、電子カルテの薬剤処方をクリックすると、患者さんの遺伝子型をあらかじめ登録してあったデータベースとガイドラインデータベースとを照合し、危険な場合は警告を出すシステムが必要となってくるでしょう。これまで、医師は経験と知識に頼っていましたが、コンピューターの支援を得られるようになるのです。遺伝子検査で副作用のリスクを軽減し、安心・安全な医療が実現できるのもそれほど遠くない未来と考えています。(林崎良英・理化学研究所プログラムディレクター)

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