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いのちに優しく いまづ医師漢方ブログ

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「祖母からの教え」…生活の知恵を活用する

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 2012(平成24)年11月2日から、始めさせていただいたこのブログも、今月で卒業させていただくことになりました。これまで、応援していただきましたみなさん、有り難うございました。残り4回、どうか、最後までお付き合いくださいね。

 今回の話は、「祖母からの教え」です。みなさんもそれぞれに、祖父母や両親から教えてもらった生活の知恵があると思います。そんな「祖母からの教え」を基に、昨年10月、「上体温のすすめ」という本を書かせていただきました。実は、この本に書かなかった「祖母からの教え」が先日、役に立ちました。

 ある日、私は仕事から帰り、家の中を裸足はだしで歩いていたら、チクと痛みが走りました。すぐに、自分の足の裏を見てみると、小さな傷から血が出ていました。そおっと触ってみると、チクチクする感覚が残っていました。まだ、とげが足の裏に残っているようでした。そこで私は、昔、祖母から習った、とげの抜き方を実践しました。

 子どもの頃、古い日本家屋だった縁側の廊下は、木の板でできていました。裸足で歩いていた私は、木のとげを足の裏に刺すことがよくありました。そんなとき、裁縫の針を使ってとげを抜く方法を祖母から教わりました。まず、とげの刺さった角度をよく確認します。どちらから、どの角度で刺さっているかを確認できたら、あとは同じ角度で針をゆっくりと入れます。このとき、とげの後ろ側へ針を入れるのがコツです。

 この方法は、医師になってからも、大変役立っています。外科外来に受診された患者さんのとげを抜くとき、裁縫の針の代わりに、注射器の針を使っています。痛みもなく、簡単にとることが出来ます。

 もうひとつ祖母から教わった切り傷や擦り傷の治療法があります。子どもの頃の私は、本当によく、転んで膝をすりむいていました。怪我けがをした時、祖母は、傷を消毒したり、絆創膏ばんそうこうを貼ったりしませんでした。祖母からは、「子どもの傷は、なめておけば治る」と教えられました。ですので、私には、絆創膏を貼った記憶がありません。子どもの頃は、怪我をすると水道水で傷を洗った後、ペロッとなめていました。

 この方法は、医学的に考えてみると、傷の管理方法の新しい考え方に、ピッタリと当てはまっています。3つのポイントで説明します。一つめのポイントは、怪我をしたとき、傷が後から化膿しないように、よく洗浄することが大切です。洗うときは、水道水が一番手軽で簡単にできます。たっぷりの水道水で、しっかりと傷を洗い流すことがポイントです。

 二つめのポイントは、消毒は最低限にすることです。しっかり消毒をすると傷の治りが悪くなることがあります。そして、三つめのポイントは、傷を乾燥させることです。傷が化膿するのを防ぐためには、乾燥させることが大切です。

 「上体温のすすめ」を読んでいただいた読者から、いろいろと教えていただくことがあります。世代や地域が異なっても、共通することがあることに驚きます。それは、身体を冷やすと風邪を引く、寝不足は禁物、といった当たり前のことなのです。しかし、この当たり前のことに、真実が隠されていることに改めて気付かされます。

 ぜひ、みなさんも、祖父母や両親からの教えを大切にしてください。そして、自分の子ども、そして孫へ、その教えを伝えていってください。お願いします。どうか、みなさんが明るく笑顔で毎日を送ることが出来ることを心からお祈りしています。

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今津嘉宏(いまづ よしひろ)

芝大門いまづクリニック(東京都港区)院長

藤田保健衛生大学医学部卒業後に慶應義塾大学医学部外科学教室に入局。国立霞ヶ浦病院外科、東京都済生会中央病院外科、慶應義塾大学医学部漢方医学センター等を経て現職。

日本がん治療認定機構認定医・暫定教育医、日本外科学会専門医、日本東洋医学会専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医

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