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オトコのコト 医師・小堀善友ブログ

妊娠・育児・性の悩み

メタボがEDを引き起こす…原因は?改善方法は?

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 メタボリックシンドロームは今や世界中で健康を侵害する最大の脅威として認識されています。

 日本での定義は、男性ではウエスト85センチ・メートル以上、女性では90センチ・メートル以上を内臓肥満ありと判定します。そのうえで、脂質異常症・血圧高値・空腹時高血糖の3つの異常のうち2つ以上を合併するとメタボリックシンドロームと診断することになります。

 糖尿病・脂質異常症・高血圧などの生活習慣病は、お互いに合併しやすく、肥満、とくに内臓肥満が密接に関わっています。これらの病気は動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞などのリスクを数倍に上昇させることがわかっており、だからこそメタボは脅威なのです。

 現在、世界的には成人の30%ほどの人がメタボと言われているのですが、それは増加の一途をたどっています。そして、メタボはそれ自身がEDの原因となってしまいます。

 

 メタボの人は、メタボでない人と比べると約2倍のED患者がいることがわかっています。そして、ED患者の40%は実はメタボが原因ではないかといわれているのです。

 「どうしてメタボがEDを引き起こすのか?」

 それは、勃起は血流が重要であるので、血管の問題かと思われるのですが、それだけではありません。

 実は、メタボは、男性ホルモン(テストステロン)を含め、様々なホルモンの異常を引き起こします。

 図をご覧下さい。

  

 この中にある「低テストステロン症(男性ホルモンが低下する状態、男性更年期障害)」が、血管の問題とともに、EDを招く重要なメカニズムであると考えられています。

 さらに、炎症と関係のあるタンパク質であるサイトカインも体内に蓄積します。それが、EDを引き起こすことになるのです。

 これらの治療については、皆様よくご存じのPDE5阻害薬であるバイアグラ・レビトラ・シアリスといった薬が用いられますが、それ以外にもホルモンを刺激する薬や、食欲を抑制する薬、栄養吸収を阻害する薬も効果があることがわかっています。

 また、薬だけではなく、血糖値を上昇させないような食事療法、運動療法、行動療法なども効果があることがわかっています。

 ちょっとおなかがぽっこりしてきただけでなく、勃起の力が弱くなってきたと感じた男性の方は、肥満を改善することで勃起能力だけでなく、体内のホルモン環境、血管の環境も改善させ、体全体が健康になることができるということを覚えておいてください。

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小堀善友 (こぼり よしとも)

泌尿器科医 埼玉県生まれ

2001年金沢大学医学部卒、09年より獨協医科大学越谷病院泌尿器科勤務。14年9月から米国イリノイ大学シカゴ校に招請研究員として留学。専門分野は男性不妊症、勃起・射精障害、性感染症。詳しくはこちら
主な著書は『泌尿器科医が教えるオトコの「性」活習慣病』(中公新書ラクレ)。詳細はこちら

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