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群大術後死、遺族の疑問に答えられる調査を

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 群馬大学病院(前橋市)で肝臓手術を受けた患者の死亡が相次いだ問題で、外部委員のみによる調査委員会の初会合が開かれ、新たに12人が手術後に死亡していたことがわかった。

 これまで判明した死亡者18人と合わせ30人が術後約3か月以内に死亡していたことになり、深刻な事態だ。

 30人の診療に問題があったかどうかは、専門学会の評価を待たねばならない。ただ、これまでの調査で、すでに腹腔(ふくくう)鏡手術の死亡者8人は、一般的には必須とされている術前検査を行っていないなど診療に問題が指摘された。カルテ記載が乏しいという不備は、開腹手術の死亡者10人でも共通していることがわかっている。

 群馬大病院は腹腔鏡手術の死亡事故について、今年3月、外部委員を交えた院内調査委員会による調査報告書を公表した。しかし、それを読んでも、患者の死亡が相次いでいるのになぜ執刀医が高難度の手術を続けたのか、理由がはっきりしない。調査過程の不備が問題視され再調査となったわけだが、そもそも当初の調査では、遺族が心から知りたい真相の究明ができていないのではないか。

 今後の調査では、遺族の疑問に答えうる誠実な精査が求められる。その上で、今度こそ、真の再発防止に資する調査結果を出さなければならない。(前橋支局 染木彩)

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