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日野原重明の100歳からの人生

yomiDr.記事アーカイブ

足元ふらつき熱中症と自己診断・・・コップ8杯のウーロン茶飲む

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 東京は35℃を超す猛暑日が続きました。テレビのニュースでは、連日大勢の人たちが熱中症になって救急車で病院に運び込まれていること、そしてそのうち65歳以上の人が半数を占めていること、中でも80歳を超す老人は死亡する例が多いと報道されています。

 私は相変わらず忙しく、聖路加国際病院や私が関係している財団などの会議や行事に参加し、夏休みもない日々を送っています。8月8、9日の両日も、私が理事長をしている財団が主催する夏恒例の国際フォーラムが聖路加国際病院の講堂で開催されました。テーマは「医療と対人援助におけるナラティブ・アプローチ」です。ナラティブ(Narrative)とは「語り」という意味で、患者さんの語る言葉に耳を傾け、患者さんの価値観をよく理解した上で、医療者が関わっていくという患者さんへの新しいアプローチのやり方です。

 1日目は、米国から招いた講師も含め、6名の講師による講演が午前9時半から午後5時半過ぎまで続きました。会場は冷房が利いていましたが、立秋に入ったとはいえこの日も相変わらずの暑い日でした。集中して講演を聞き、午後7時すぎに自宅に帰り、入浴と夕食をすませていつものように午後10時半ごろ就寝したのですが、午前2時半ごろ、尿意で目が覚めました。気のせいか足元がふらつくような気がします。

 急に「高齢者は熱中症で亡くなることが多い」とテレビで報じていたことを思い出しました。私は今、熱中症になりかかっていると自己診断を下しました。そこで急いでキッチンの電気をけて、冷蔵庫から冷たい1リットル入りのウーロン茶をコップで8杯ほど一気に飲み干しました。8月9日付けの新聞には90歳、86歳、82歳の三姉妹が熱中症で亡くなっているのが発見されたとありました。私は103歳の超高齢者ですから、熱中症の死亡リスクはもっと高いはずです。

高齢者は就寝中も熱中症の恐れ…水分をとるときの姿勢も注意が必要

 一般に、炎天下で激しい運動をすると熱中症になると警告されていますが、夜間、就寝中でも熱中症のおそれがあるということを私たちは覚えておかなければなりません。そしてもう一つ、高齢者は水を飲む際には気管支に水が入らないように、水分量や飲み込む姿勢に気をつけるのを忘れてはいけません。

 国際ワークショップの2日目も午前9時半から始まりましたが、私は少し遅れて参加し、「患者の言葉に耳を傾けよ。患者はあなたに診断を告げている」というウィリアム・オスラー博士の言葉を紹介して、このフォーラムの結びとしました。

 8月も半ばを過ぎましたが、なかなか秋の気配が感じられません。自宅の庭の百日紅さるすべりも今を盛りと空に向けて咲き誇っています。

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日野原重明ブログ_顔120_120

日野原重明(ひのはら・しげあき)

誕生日:
1911年10月4日
聖路加国際病院名誉院長
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