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[動き出す予防医療]遺伝子検査に3種類

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 コラムを始めて以来、何人かの読者から「遺伝子検査は医療で使ってこそ意味があるのでは」とのご感想をいただきました。まさにご明察! 遺伝子検査は医療現場で重要な役割を果たしています。

 医療機関で行う遺伝子検査には〈1〉生殖細胞変異〈2〉体細胞変異〈3〉病原体――の3種類があります。同じように遺伝子のDNAやRNAという物質を調べるのですが、全く異なる意味を持っています。

 私たちの体は、もともと精子と卵子が受精してできたたった一つの細胞(受精卵)が、数十兆個の細胞にまで分裂してできたものです。全身のあらゆる細胞には、親から受け継いだ全ての遺伝情報が正確に書き写されています。ここで、次の世代を作る精子と卵子を「生殖細胞」、それ以外の細胞を「体細胞」と呼びます。

 生殖細胞変異とは、もともと精子や卵子が持っていた遺伝情報の文字の変化です。受精卵から作られた全ての細胞が同じ文字の変化を持っています。この変化は、生まれながらの体質を決定します。遺伝性の疾患や疾患リスクなどの検査がこのカテゴリーに入ります。

 細胞が分化した後に、種々の原因で生じた変異を体細胞変異と呼びます。がんは、この体細胞変異により引き起こされます。ですから、がんの疾患リスク(感受性)を知るには生殖細胞変異、できてしまったがんの性質を知るには体細胞変異を検査します。

 病原体の遺伝子検査は、私たちの遺伝情報を検査するのではありません。病原体も生物なので、固有の遺伝情報を持っています。これを検出することで、どの病原体に感染したのか、さらにどの薬が効くのかを調べられるのです。

 次回から数回に分けて、医療としての遺伝子検査を説明したいと思います。(林崎良英・理化学研究所プログラムディレクター)

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