国立国際医療研究センター市民公開講座 ~糖尿病の明日を考える~
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[国立国際医療研究センター市民公開講座 ~糖尿病の明日を考える~](5)1型に膵島移植有効
膵島移植プロジェクト長 霜田雅之氏
しもだ・まさゆき 1998年京都大医学部卒。米ベイラー医学研究所研究員などを経て2012年から現職。日本移植学会移植認定医。 |
1型糖尿病の人は、自分の体を自分で攻撃してしまい、インスリンを分泌する膵臓のβ細胞が破壊されています。1日3回、4回、インスリン注射が必要ですが、効き過ぎて低血糖になってしまう方もいます。
注射以外の治療法が膵島移植です。膵臓の中でホルモンを出す細胞を膵島と言い、この中のβ細胞からインスリンは出ています。
膵島移植は肝臓につながる門脈という血管に5ミリぐらいの管を外から刺し、点滴のような形で膵島を注入します。膵島は、亡くなった方から膵臓を提供していただき、取り出します。
国内では11施設で実施しています。10年ぐらい前から23人の方に行われています。保険は利かず、臨床試験という形で行われています。
国内では臓器提供の数が非常に限られていること、他人の細胞を移植する際の拒絶反応を防ぐ免疫抑制剤を使用することが問題です。
iPS細胞(人工多能性幹細胞)から膵島を人工的に作ったりブタの膵島を人に移植したりする研究も行われています。膵島移植を将来、インスリンの分泌が少なくなった2型糖尿病の患者さんにも行えたらと考えています。
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