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子宮頸がんワクチンの安全性評価を開始―EU当局

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 欧州連合(EU)の医薬品規制当局である欧州医薬品庁(EMA、ロンドン)は7月13日、子宮けいがんワクチン(HPVワクチン)の安全性をより明らかにするための評価を行うと発表した。有害事象(ワクチンとの因果関係がはっきりしないものも含めた副作用)の報告が集まっているデンマーク当局の要請によるものだが、欧州医薬品庁は今回の安全性評価について「子宮頸がんワクチンの効果と危険性のバランスに疑問を投げかけるものではない」と強調している。子宮頸がんワクチンの有害事象は日本でも報告されており、政府は積極的な接種の呼びかけを中止している(関連記事:子宮頸がん予防のためワクチン問題の早期解決を…専門家が提言)。

結果は今秋に発表か

 子宮頸がんは世界の女性のがんによる死因の第4位を占め、欧州では、がん検診を導入しているにもかかわらず年間数万人の女性が子宮頸がんで死亡している。子宮頸がんワクチンは、こうした子宮頸がんを防ぐ可能性が高い唯一のワクチンだ。

 今回の評価の対象は、欧州地域で承認されている「サーバリックス」(2価ワクチン)、「ガーダシル」(4価ワクチン)、「ガーダシル9」(9価ワクチン、日本未承認)の3種類。まれな頻度で報告されている「複合性局所疼痛症候群(CRPS)」と「起立性頻脈症候群(POTS)」に関する検討が行われるという。

 欧州医薬品庁によると、これまで報告されている子宮頸がんワクチン接種後の症状は、ワクチンとの因果関係が証明されていない。同庁は「CRPSやPOTSは子宮頸がんワクチンを接種していない人でも起こるものであり、接種したグループと接種していないグループでの頻度を比較することは重要」と指摘。また、現時点でこの2つのイベントに関する報告の大部分で十分な診断基準が示されていない問題もあるとしている。

 評価結果は今年の秋頃に示される見通し。なお、現時点で子宮頸がんワクチンの承認内容や勧告に変更はない。

海外メディアの反応は?

 この発表について、海外のメディアはどのように報じているのか。米紙「ワシントン・ポスト」は7月13日付の記事(電子版)で、子宮頸がんワクチンは世界各国で広く普及する一方、この数年でメキシコ、米国、日本、デンマークの研究グループによる、数例~数十例規模の接種後のCRPS、POTSに関する症例報告が集積してきたとした。

米医療情報サイト「メドスケープ」は同日付記事で、「POTSについてはまだ実態がつかみにくい部分があるほか、子宮頸がんワクチンの接種推奨年齢がこうした症状が現れやすい年齢層でもあることから、原因の解明が難しい」というデンマークの研究者のコメントを紹介。この研究者は、ワクチンとの因果関係を評価するだけでなく、POTSなどが疑われる人のための診療体制を整えることが、予防接種への信頼性を維持するために重要との見解を示している。

 英国放送協会(BBC)は同日付記事(電子版)で、今回の評価で検討される2つの症状については「まれな(rare)」としつつ、HPVは「非常によく見られる(very common)」性感染症と紹介。また、英国内ではこれまでに12件のPOTS、10件のCRPSが報告されており、英当局関係者の「英国内では10代の子宮頸がんワクチン接種率は90%近くあり、これまでに800万回接種されている。こうした有害事象の報告が出てくることは予想外ではない」とのコメントを掲載している。

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