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[動き出す予防医療]遺伝子テストは実用的か?

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 「できるだけ手っ取り早くスリムになりたい」と思ったことはありませんか。私もダイエットは人ごとではありません。遺伝子型によって太りやすさを推定し、最適なダイエット方法を指南する商品は、一般向け遺伝子テスト商戦のごく初期に登場しました。

 これは、脂肪の代謝に関係するいくつかの遺伝子(肥満遺伝子)に変異があると太りやすくなるという論文が根拠の一部になっているようです。

 以前、テレビでおなじみの有名人の肥満遺伝子を調べたことがあります。結果は、とても太りやすい遺伝子型でした。ところが、その人はとてもスリムなのです。それもそのはずで、ひとは食べた以上には太りません。遺伝子がどうであれ、節度ある食事と適度な運動の習慣が身についていれば、適正な体重を保てます。

 このように、一般向け遺伝子テストの中には、科学的根拠が直接実用に当てはまらず、体質に表れる効果があいまいなものも含まれています。まして、サプリメントの販売が目的の、遺伝子型に理由付けたダイエット指導に至っては、科学的根拠はありません。

 さらに、一般向け遺伝子テストには、遺伝子型と疾患の科学的関連性が低い項目も含まれています。中には、病院での遺伝子検査と比べて数千倍も関連性が低い項目が入っている場合もあります。

 ですから、いくつかの会社のウェブサイトには、「医療ではない」と明記されています。一言で、リスクといっても、病院で行われる遺伝子検査のリスクと必ずしも同じレベルではないのです。

 一般向け遺伝子テストを賢く利用するには、結果を解釈するための知識も必要です。何事も、「手っ取り早く」とはいかないようです。(林崎良英・理化学研究所プログラムディレクター)

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