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医療相談室

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「頸髄硬膜外血腫」とは

 70歳の妹が2月に突然、全身まひを起こしました。検査で「頸髄けいずい硬膜外血腫」と言われました。幸い手術をせずに回復して退院しました。今後は定期的に経過を見ますが、どのような病気で、再発の頻度や日常のリハビリでの注意点を教えてください。(82歳女性)

まひ・しびれ、首の痛みがサイン

森本 大二郎 日本医大脳神経外科助教(東京都文京区)

 頸髄は、脳から手足を動かす指令を伝える運動神経と、「痛い」「熱い」など体の各部からの知覚を脳に伝える知覚神経の束からなります。外側は硬膜という硬い膜に守られ、頸椎の中の管を通っています。

 頸髄硬膜外血腫は硬膜の外側に血の塊(血腫)ができる病気ですが、硬膜を傷つけることはほとんどありません。首に強い痛みがあることが多く、血腫が大きいと手足のまひやしびれ、感覚鈍麻がみられます。症状が体の左右どちらかに偏る場合は、脳梗塞の症状と似ており注意が必要です。

 一般に脳梗塞では首の痛みがないため、首の痛みは頸髄硬膜外血腫を疑う重要なサインです。重症の場合には尿や便が出にくくなることもあり、そのような場合には緊急に血腫を取り除く手術が必要となります。

 血腫が小さくまひが軽い場合は、自然に体内に吸収されることもあります。

 発症の頻度は100万人に1人と少なく、原因は転倒などの外傷、硬膜表面の血管奇形、がんなどからの出血など様々ですが、原因が分からない「特発性」が最も多いです。相談の事例も経過から、特発性の可能性が高いと思われます。

 再発の頻度や日常生活の注意点は原因によります。症例数が少なくわからないことも多いのですが、特発性の場合、出血は硬膜表面の静脈からが多く、早期にはいきんで静脈の血圧が上がるようなことは避けた方が良いでしょう。

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