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最新医療~夕刊からだ面より

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機能低下ロコモ度…運動力測定と質問票で判断

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 日本整形外科学会は、日常生活に必要な運動機能が低下する「ロコモティブシンドローム」(運動器症候群、ロコモ)の進行度合い「ロコモ度」を測る判定法を公表した。どのようにして行うのだろうか。

 ロコモは、骨や関節、筋肉、神経といった運動器の機能が弱くなり、歩行能力が低下した状態を指す。進行すると、転倒や骨折をしやすくなり、介護が必要になる場合もある。国内では、予備軍も含めると4700万人がロコモの危険があると考えられている。

 ロコモ度の判定は、2種類の運動テストと、「ロコモ25」と名付けた質問票で行う。三つのテストの結果を踏まえて「ロコモ度1」「ロコモ度2」と2段階で判定される。前者は、運動機能の低下が「始まっている状態」、後者は「進行している状態」だ。

 運動テストには、「立ち上がりテスト」と「2ステップテスト」がある。

 立ち上がりテストは脚の筋力をチェックする。高さ40センチの台に両腕を組んで腰掛け、反動をつけずにどちらか片方の足で立ち上がり、3秒、姿勢を保つ。左右ともできれば問題なし。立てなければ「ロコモ度1」と判定される。

 片方の足で立てなければ、今度は両足で立ち上がれるかどうか確かめる。高さ20センチの台から立ち上がることができなければ「ロコモ度2」と判定される。

 「2ステップテスト」は、歩幅を測る。バランス能力や体の柔軟性も含めた歩行能力を調べるのが目的だ。まず、両足のつま先をそろえて立つ。次に腰を落とした姿勢で、バランスを崩さず、できる限り大股で2歩歩き、最後は両足をそろえて立つ。

 2歩分の歩幅(センチ)を測り、自分の身長(同)で割る。この値が1・3未満であれば「ロコモ度1」、1・1未満なら「ロコモ度2」と判定する。

 一方、質問票は、体の状態や生活の状況について尋ねる25の質問で構成される。それぞれ、0点から4点まで5段階で評価し、合計点数が7点以上だと「ロコモ度1」、16点以上だと「ロコモ度2」と判定する。

 三つのテストの結果、いずれか一つでも「ロコモ度1」「ロコモ度2」と判定されたら、進行度が高い方が判定となる。

 判定法の作成にかかわったNTT東日本関東病院(東京都品川区)整形外科主任医長の大江隆史さんは「『ロコモ度1』の場合は、階段を利用するなど、日常生活で足腰を使うことを意識する。『ロコモ度2』なら、将来的に生活に支障が出てくる恐れもあり、整形外科医に相談してほしい」と説明する。相談できる整形外科医は、ロコモの予防啓発サイト(https://locomo-joa.jp)で検索できる。

 一方、ロコモは高齢者に限った問題ではない。骨や筋肉の量のピークは20~30歳代で、それ以降は衰え始める。大江さんは「適度な運動で骨や筋肉に刺激を与えたり、適切な栄養を取ったりすることで強く丈夫に維持される。若い時からの心がけが大切だ」と話している。(利根川昌紀)


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