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虫よけ新時代…着る!貼る!塗る!

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 アウトドア活動の人気と、昨年夏に蚊が媒介するデング熱の国内感染が約70年ぶりに確認されたことなどを受けて、虫よけ商品への関心が高まっている。殺虫剤メーカーなどは、身に着けたり体に塗ったりする製品の品ぞろえを強化している。

8割増

 スプレーなどの虫よけ剤は、虫が嫌う化学成分の「ディート」や、植物から抽出した成分などが使われているものが主流。商品によって対応する虫は違うが、主に蚊、ブユ、チョウバエ、ダニなどが対象だ。

 虫よけ剤は夏に売り上げのピークを迎えるのが例年の傾向だが、昨年はデング熱が確認された8月以降に売り上げが急増。今年も春先から前年を上回るペースで販売が好調で、アース製薬によると5月末までの市場全体の売上高は前年同期比で約8割増という。

新商品

店頭には既に様々な虫よけ商品が並んでいる(東京都中央区のくすりの福太郎茅場町店で)

 各社は、春先から新商品を続々投入している。

 アース製薬は、虫よけスプレー「サラテクト ウォーターミスト」を刷新して発売。通常のスプレーより飛び散りが少なく、塗りやすい。保湿成分としてアロエを配合した。

 シートタイプの商品はムラなく肌に塗れる利点がある。機能素材が発売した「ユーカノン クールシート」(12枚入り)は冷感成分を配合した汗ふきシートの機能も兼ね、汗を拭いた後に虫よけ剤を塗る手間を省けるという。

 直接肌に塗らない商品もある。

 「KINCHO(キンチョウ)」のブランド名で知られる大日本除虫菊の「虫コナーズPRO 服にかける虫よけスプレークールタイプ」は、服の上から吹きかけて使用する。汗の臭いを抑える成分も配合し、虫を引き寄せにくくした。

 リンテックコマースの「アロマの虫よけシール」(48枚入り)は、肌の露出部分に近いシャツの袖や帽子などに貼って使うシールタイプの商品だ。ラベンダーから抽出した虫よけ成分がシールの表面からのみ揮発するため、最長で約12時間持続する。

 フマキラーが発売した「どこでもベーププレミアム」は腕や足などに巻き付けるタイプ。プロペラが起こす風で体の周囲に薬剤を拡散する。240時間という長期間使用できる点も売りだ。ただ、屋外で風が強い場合などは十分な効果が得られないこともあるという。

 虫よけ商品は、衣料品にも広がりを見せている。

 インセクトシールドジャパンは、米国で開発された技術で、キク科の植物に含まれる虫よけ成分を人工的に再現した薬剤を付着させた生地「インセクトシールド」を使い、自社で企画・開発したパーカやTシャツなど衣料品約30種類を展開している。

コツは

 民間研究機関「害虫防除技術研究所」の白井良和所長は「虫よけ剤は汗や雨で流れると効果が薄れるため、2~3時間おきに塗り直した方がいい。スプレーは顔に直接吹きかけると液剤が目や鼻に入るので、一度手に取って塗って」とアドバイスする。(大郷秀爾)

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