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放送作家 高田文夫さん

一病息災

[放送作家 高田文夫さん]心肺停止(4)リハビリ 奇跡のUターン

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 リハビリを懸命に続けた。車イスに乗れるようになり、一人でトイレに行くことが出来た喜びは、忘れることができない。「おむつを笑いのネタにしたこともあったけど、そんなことはしちゃいけないね」

 入院生活は3か月。退院して、自分のラジオ番組に復帰するには、さらに4か月かかった。

 奇跡のUターンで戻ってきた命を守るため、健康に気遣うようになった。朝ご飯をしっかり食べ、歩数計を付けてまめに歩く。2009年の東京マラソンで倒れ、同じ心肺停止を体験したタレントの松村邦洋さんらと散歩会を結成して、毎月、江戸の町歩きもしている。

 学生時代から毎日4箱吸っていたたばこもやめた。漫画家の山藤章二さんの句会のメンバーで、俳句作りも楽しんでいる。

 「東京のことなら何でも知っている、やんちゃなじいさんになりたいね」。名人と言われた古今亭志ん生以来の面白いおじいちゃんを目指している。

 26年続くラジオ番組はやめるわけにはいかない。15歳年上の“幻の師”永六輔さんが、今も生放送でしゃべり続けているからだ。

 「これは冗談じゃないけど、あの沢田研二と、生年月日が同じなんだよ」。ともに今日、67歳になった。

(文・斉藤勝久、写真・武藤要)6月25日紙面掲載

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