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あなたの健康百科 by メディカルトリビューン

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亜鉛の取り過ぎに注意、貧血や神経障害の恐れも―英研究

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銅欠乏を招く可能性

 必須ミネラル16種の一つである亜鉛は、不足すると味覚障害や無月経、貧血、精子減少などを引き起こすといわれている。カキやレバーなどに多く含まれているが、サプリメント(栄養補助食品)で補っているという人も少なくないだろう。しかし、取り過ぎた場合はどうなるのか―。英グラスゴー王立診療所のアンドリュー・ダンカン氏らは、病院で亜鉛サプリメントを処方された人の多くが過剰投与で、その中には神経障害や原因不明の貧血などを起こしているケースもあったことを、6月17日発行の英医学誌「Journal of Clinical Pathology」(電子版)で報告した。亜鉛の取り過ぎが招いた銅欠乏によるものとされ、ダンカン氏らは「亜鉛の過剰摂取による銅欠乏リスクを認識すべき」と呼びかけている。


サプリ飲むなら1日45ミリグラム以下に抑えて

 「日本人の食事摂取基準2015年版」によると、亜鉛の食事摂取基準(1日当たり)は15~69歳の男性で10ミリグラム、同女性で8ミリグラムが推奨されており、上限量はそれぞれ40~45ミリグラム、35ミリグラムとされている。英国では男性で1日5.5~9.5ミリグラム、女性で同4~7ミリグラムが推奨されているが、同国内で流通している亜鉛サプリメントは1錠当たり40~50ミリグラムのものが大半という。

 また、医療機関で亜鉛サプリメントが処方されるのは、主に亜鉛欠乏症のケースに対してだが、処方すべき血中亜鉛濃度の基準は定められていないようだ。一方で、亜鉛を取り過ぎると、銅や鉄の吸収が妨げられ、貧血や神経障害などを引き起こす可能性が指摘されている。

 ダンカン氏らは今回、英グラスゴーの病院で2000~2010年に亜鉛サプリメントを処方された患者70人の診療記録を分析。その結果、全体の6割に当たる45人に1日当たり90~180ミリグラムもの亜鉛サプリメントが処方されていた。処方の理由で最も多かったのは亜鉛欠乏症(21人)だったが、29人は理由が不明。また、9人に銅欠乏が原因の可能性がある貧血、好中球減少症、神経障害などの症状があったという。

 ダンカン氏らは「症状が出た時期や亜鉛サプリメントを服用していた期間に関するデータが入手できなかったため、これらの症状が亜鉛の取り過ぎが招いた銅欠乏によるものかどうかは明らかにできなかった」と説明した上で「銅欠乏による貧血や好中球減少症を見過ごしていると、神経障害に進行してしまう可能性がある」と指摘。亜鉛サプリメントは1日45ミリグラム以下にすること、長期間服用する場合は血中の銅の濃度も確認することを勧めている。

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kenkohyakka

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