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口臭のもと

元気なう

(4)食道がん発見へ研究

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 口臭が、重い病気につながっていることもある。東邦大総合診療科教授の瓜田純久さんによると、糖尿病の重症者は、糖をエネルギーに変えられないため、代わりに脂肪からエネルギーを得ようとする。その時の代謝物として生まれる「ケトン体」が臭いを出す。

 口臭から食道がんの早期発見につなげようという研究が順天堂大(東京都文京区)で進められている。同大上部消化管外科の梶山美明さんは「進行した食道がん患者の息に特有の臭いがあることが、以前から分かっていた」と話す。この原因を科学的に解明しようという試みだ。

 梶山さんによると、手術で切除した食道がんそのものも臭気を放つ。一方で近接する胃がんは臭わないため、それぞれの細胞とがんの種類の違いに着目した。食道は口の中と同じ「扁平へんぺい上皮細胞」で、胃は、口とは別の「円柱上皮細胞」でできている。食道にできるがんは扁平上皮がん、胃は腺がんに分けられる。このため、梶山さんは食道がんの臭いは扁平上皮がん特有のものとみている。

 研究では、食道がん患者の呼気を分析すると、4種類の有機化合物が健康な人より多く検出された。なぜこれらの物質が食道がんの患者に多くあり、食道から直接口に出てくるのか、または肺を経由して出てくるのかは分かっていない。

 梶山さんらはこれらの仕組みを解明し、「将来は、息を吹きかけると特定の物質に反応して色が変わり、食道がんと判定する検知システムの開発につなげたい」と話している。(原隆也)

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