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日野原重明の100歳からの人生

yomiDr.記事アーカイブ

「新老人」のみなさま、くれぐれも転倒には気をつけてください

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 私が「新老人の会」を組織したのは2000年9月、事務局を東京・千代田区平河町の砂防会館内に設けました。今からちょうど15年前のことでした。

 WHO(世界保健機関)は高齢者を65歳以上と定義しており、日本でも65歳以上を高齢者、75歳以上を後期高齢者と呼んでいます。ところで、みなさんの周囲におられる65歳以上の方々を見てもお分かりのように、会社や役所では定年になっているかもしれませんが、まだまだ十分、社会で活躍できる若々しさをもっておられます。

 この方たちを「老人」と呼び、社会の第一線から退いてもらうなど、とてももったいないことだと思います。そこで私は「新老人」というネーミングで新しい老人像をクリエイトするために、「新老人の会」を誕生させたのです。この提案は大勢の方々に支持され、2015年5月現在、「新老人の会」は全国に46支部、1万1000人の会員を擁するまでになりました。

 「新老人の会」が取り組んだ研究活動に「ヘルス・リサーチ・ボランティア研究」があります。これは会員の中からボランティアを募って、高齢者の老化のプロセスを解明するためにご自身の健診データを毎年提供してもらい、その経年的変化を5年間にわたってフォローするというコホート研究(集団追跡研究)です。2002年に407名のボランティアの協力を得てスタートし、2013年にはその結果がまとまりましたが、それ以後も10年目の追加調査を継続し、このたび2015年1月に最終報告書「質の高い健康長寿の手引き」として発行しました。

 高齢者の課題は、「健康寿命(健康上の問題がなく日常生活を普通に送れる状態)をいかに長く維持することができるか」ということですが、これに大きな影響を与えるのは「認知症、高齢による脆弱ぜいじゃく化、関節疾患、骨折などである」とされ、特に注意をすべきなのは、(1)体重減少、(2)筋肉量の減少、(3)筋力の低下、(4)持久力の低下、(5)緩慢な動作などのフレイル(体と心の機能が少し落ちてきた状態)であり、これらのうち3つ以上を有すると約7年の経過で死亡率が上がるといわれています。

 5メートルを歩く速度を高齢化の指標に採用している専門家もいますから、日頃から歩くスピードにも気を配り、歩幅をしっかりとって、正しい歩き方を体に覚えさせ、脚力をつけてほしいと思います。ただし、くれぐれも転倒には気をつけてください。

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日野原重明ブログ_顔120_120

日野原重明(ひのはら・しげあき)

誕生日:
1911年10月4日
聖路加国際病院名誉院長
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