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遺品整理士・木村栄治さん(2)生前の意思、エンディングノートに明記を

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「エンディングノートなどに明記しておくことが、亡き人、そして遺族にとっても大切になってくる」と話す木村さん

 ――遺品整理士はどのように認定されるのですか。

 「まずは通信制の講座で、専用のDVDとテキストを使って2か月程度学習します。講師は、孤独死を研究する大学教員や弁護士、宗教家などの専門家です。認定を受けるには、廃棄物処理法やリサイクルなどの知識の確認と、孤独死した故人の遺品整理といった依頼への具体的対応などの設問にリポートで回答してもらいます。法令の順守と、倫理感、遺族を思いやる気持ち。この3点が問われています」


 ――受講者はどれぐらいいるのですか。

 「開講してから最初の2か月間は100人に満たなかったのですが、インターネットで遺品整理士に関する記事が配信されると、その日だけで600人もの申し込みがありました。運送、葬儀業者や福祉関係の事業者からで、今は、北海道から沖縄まで全国で1万1000人以上が受講しています」

 「それでも、認定されるのは7000人余り。全員が遺品整理士になれるわけではありません。中には長年こうした仕事をしてきた人が受講したものの、合格できないケースもあります。テキストを十分に理解せず、我流の誤った方法に凝り固まってきたと言わざるを得ません」


 ――遺品の廃棄や売却に関するトラブルはないのですか。

 「残念ながら、ゼロではありません。廃棄物の不法投棄などは、同業者の情報提供や警察の照会などで発覚します。遺品整理士にふさわしくないと判断した場合には直ちに、認定を取り消します」


 ――これまでに、どのような依頼がありましたか。

 「孤独死で亡くなった高齢者や、ゴミ屋敷のような現場もあります。最近は、依頼をする遺族が、故人と遠く離れていることも多い。遺品整理に立ち会えず、業者に全て任せることも少なくありません。それだからこそ、信頼できる遺品整理士が必要なのだと思います」


 ――遺品の取り扱いで、判断に迷うことはありませんか?

 「近年ではインターネットを使う高齢者も増えてきました。パソコンやスマートフォンなどに残された情報をどのように取り扱うか、非常に難しくなっています。中には、死後、家族に見られたくない情報もあり得るからです」

 「そこで、公法学の専門家に『遺品としての情報』の協力でテキストを改訂しようと考えています。基本的には、生前の意思を尊重することになります。死に備えた『終活』への関心も高まっていますが、残された人に意思を伝える『エンディングノート』などに明記しておくことが、亡き人、そして遺族にとっても大切になってくるのだと思います」

木村栄治(きむら・えいじ)さん

 北海道生まれ。道の第3セクターや広告代理店などの勤務を経て、不登校や引きこもりの子どもを支えるインターネットサイトの運営会社を設立。2011年9月に遺品整理業者の健全化を目指し、一般社団法人「遺品整理士認定協会」を設立した。


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