文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

予防医学研究者・石川善樹の「続けたくなる健康法」

コラム

最大の死因は「人々の意志」?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 はじめまして。

 予防医学研究者の石川善樹と申します。

 このたびご縁がありまして、本ブログを執筆させて頂くことになりました。

 少しだけ自己紹介をさせて頂きますと、わたしは「予防医学」という分野を専門にしているのですが、よくこんな質問を受けます。

 「それって、医学と何が違うんですか?」

 もちろん重なる部分も多いのですが、大枠の理解としては、次のように捉えてもらえると分かりやすいかなと考えています。

・医学 → 「病人の治療」がねらい
・予防医学 → 「社会全体の健康」をめざす


 とはいえ、世界一の長寿国家である日本で、これ以上の健康をめざしてどうするのか?というご意見もあるかと思います。

 しかし、冷静に日本の状況をみると、必ずしも長寿だからといって安心できるわけではないのです。というのもご存じのように、日本には世界に誇る医療制度があるため、

 「まあ、何かあったら病院にいけばいいや」

 と思っている人がとても多いのです。そのため、「予防」に対する意識が全体的に低い、という問題があるのです。

 そのような現状をなんとかしたい!・・・というおもいで私たちは日々研究に励んでいるわけです。

 とはいえ、「病気はなってから対処するより、できれば予防したい」という願いは誰もが持っています。でもみなさんご存じのとおり、病気を予防するためには、次にあげるようなやっかいなことをしないといけません。

・たばこは吸わない
・お酒は飲み過ぎない
・塩分は控えめに
・睡眠はきちんととる
・野菜をたくさんとる
・体を動かす、などなど


 ・・・・・・さらにやっかいなのは、わたしたちの脳が、欲望に負けやすくできていることです。たとえば最近、「おいしいものは、脂肪と糖でできている」というCMが流れていますが、まさに!と膝を打った方も多いのではないでしょうか。

 では、どうすればいいのか?

よりよい意志決定をするためには

 わたしたち予防医学の研究者が、いま必死になって研究しているのが、「行動科学」と言われる分野です。

 人は弱い生き物です。

 そういう意味で言うと、わたしたちの「意志」ほど信用できないものはありません。私自身、「よし、やるぞ!」と意志を固めたものの、失敗に終わったことが何度あったことか。たとえばつい最近も、「ネットサーフィンで時間を浪費するのはやめよう!」と決意した5秒後には、無意識に携帯電話をいじってネットの世界に飛び込んでいる自分を発見し、がくぜんとしたばかりです・・・・・・

 そして、かくも弱き意志こそ、21世紀における予防医学の最大のチャレンジなのです。

 たとえばある研究によると、アメリカ人の最大の死因は、“人々の意志”であると報告されています。試算によれば、たばこ、食生活の乱れ、運動不足など日々の意志決定に関する問題で、年間約70万人のアメリカ人が命を落としているのです。これは、アメリカの年間死亡者数の約1/3にもなります。
(出典:Keeney, RL. Operations Research 2008:56;6;1335-1347)

 「人々がよりよい意志決定をするために、どのようなサポートができるのか?」

 これこそ、行動科学を専門とする私のような研究者が、日々追いかけている問いなのです。

 ・・・・・・さて、そろそろ話をまとめたいと思います。

 本ブログでは、予防医学や行動科学に関する、むずかしい研究の話をするつもりはありません。

 それよりも、「こういうちょっとした工夫で、人生が大きく健康に向けて変わったよ」という事例を、たくさんご紹介していきたいと思います。

 たとえば最近、わたしの友人が、ちょっとしたきっかけで、ガラリと生活全体を変えることに成功しました。


・「おとなも知らない自分の変え方」 TEDxKids@Chiyodaでの講演
 https://www.youtube.com/watch?v=gDcgEKnIonM


 この動画にあるような事例を一つずつご紹介していくことで、みなさまの毎日が少しでも健康に近づいていけば、これほどうれしいことはありません。

 みなさまからのコメントも楽しみにしていますので、これからぜひ、よろしくお願いいたします!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

予防医学研究者・石川善樹の『続けたくなる健康法』_顔120px

石川善樹(いしかわ よしき)

 予防医学研究者・医学博士。(株)Campus for H共同創業者。1981年 広島県生まれ。東京大学医学部健康科学科卒業、ハーバード大学公衆衛生大学院修了後、自治医科大学にて博士(医学)取得。「人がより良く生きるとは何か」をテーマとして、企業や大学と共同研究を行う。専門分野は予防医学、行動科学、機械創造学、マーケティング等。

 著書に「疲れない脳をつくる生活習慣」(プレジデント社)など。最新刊「ノーリバウンド・ダイエット」(なとみみわさんとの共著、法研)が2017年1月19日に発売。

予防医学研究者・石川善樹の「続けたくなる健康法」の一覧を見る

9件 のコメント

コメントを書く

悩む人をサポートするツボ

めざめたじいさん

 先生のサポートの仕方を見て、ツボを心得ているなあと思いました。勉強になりました。 家内は一昨年53年間続けていた仕事を止めました。退職するとき...

 先生のサポートの仕方を見て、ツボを心得ているなあと思いました。勉強になりました。

 家内は一昨年53年間続けていた仕事を止めました。退職するとき、後任の方から「1週間に1回程度職場に来て遊んで下さい。そうしないと呆けますよ」と言われました。家内は後任の方がやりにくいだろうと思い、断りました。

 今までと違い、1日何もしないでいると暇を持て余します。暇になると、これまでの疲れがどっと出て、あるとき目まいを起こしました。救急車のお世話に何回もなりました。主治医に相談すると「目まいは病気ではない。目まいで亡くなった人はいない」と断言されました。そう言われても、目まいのことが頭から離れなくなり、症状は改善しませんでした。物憂い日が続き病人になっていました。

 私は、家内に何も言わず、ただひたすら趣味の合唱を続けました。夕方歌いに出かけるとき「気分が悪い」と言います。「出かけるのを止めようか」というと「行って欲しい」と言います。辛かったら談話して・・と言い残し、出かけます。帰って見ればぐっすり寝ています。

 あるとき、「私も俳句でもした見ようかしら」と言い出しました。さらに体力をつけるために「女性だけの体操教室」に通い始めました。昔の友人を誘い、我が家で小さなサロンを開いています。

 人は、言われて変わるものではなく、元気な人の後ろ姿を見て、自分もあのようになりたいなあと思ったとき変わるものです。サポートのツボは、決して励ましや助言ではなく、生き生きとした姿を見せつけることだと思います。

 私のとった行動に、先生の助言を頂ければ幸いです。

つづきを読む

違反報告

なるほど

ビビンバ

ビデオみました。とてもシンプルで的を射てて、分かり易かったです。少々年を重ね面倒くさがりになりつつあるけど、これなら自分にもできるぞ、と確信しま...

ビデオみました。とてもシンプルで的を射てて、分かり易かったです。少々年を重ね面倒くさがりになりつつあるけど、これなら自分にもできるぞ、と確信しました。さすがエキスパートですね。これからも楽しみにしています!

つづきを読む

違反報告

ダイエットに成功

幸せ者

 私は身長が164cmで、体重が63kgほどです。昨年までは、79kgほどありましたけど、ダイエットに成功しました(本心を言えば、あと3kgほど...

 私は身長が164cmで、体重が63kgほどです。昨年までは、79kgほどありましたけど、ダイエットに成功しました(本心を言えば、あと3kgほど減量したいですけど…)。
 間食をやめるときは、お菓子などを母親に100均で買ったケースに隠してもらいました。視界にお菓子が入ると、どうしても食べてしまうからです。
 運動は、家事などから始めるのがいいと思います。母親には「家事は自分がするから余計なことをしないでください」と頼みました。徐々に体を動かしていくが楽しくなりました。
 睡眠に関しては、夜の9時以降はスマートフォン・テレビ・パソコンは使わないなどの工夫をしました。
夜の8時ごろになると、母親にテレビのリモコンを隠してもらうことにしています。スマートフォンのアプリケーションなどは必要最低限のもの以外は店員に消してもらいました。夜の8時以降にパソコンのコンセントを抜くなどの工夫もしていました。
 もっと書きたいのですが、800字までなのでこれくらいにさせていただきます。

つづきを読む

違反報告

すべてのコメントを読む

コメントを書く

※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。

※個人情報は書き込まないでください。

必須(20字以内)
必須(20字以内)
必須 (800字以内)

編集方針について

投稿いただいたコメントは、編集スタッフが拝読したうえで掲載させていただきます。リアルタイムでは掲載されません。 掲載したコメントは読売新聞紙面をはじめ、読売新聞社が発行及び、許諾した印刷物、ヨミウリ・オンライン(YOL)、携帯電話サービスなどに複製・転載する場合があります。

コメントのタイトル・本文は編集スタッフの判断で修正したり、全部、または一部を非掲載とさせていただく場合もあります。

次のようなコメントは非掲載、または削除とさせていただきます。

  • ブログとの関係が認められない場合
  • 特定の個人、組織を誹謗中傷し、名誉を傷つける内容を含む場合
  • 第三者の著作権などを侵害する内容を含む場合
  • 企業や商品の宣伝、販売促進を主な目的とする場合
  • 選挙運動またはこれらに類似する内容を含む場合
  • 特定の団体を宣伝することを主な目的とする場合
  • 事実に反した情報を公開している場合
  • 公序良俗、法令に反した内容の情報を含む場合
  • 個人情報を書き込んだ場合(たとえ匿名であっても関係者が見れば内容を特定できるような、個人情報=氏名・住所・電話番号・職業・メールアドレスなど=を含みます)
  • メールアドレス、他のサイトへリンクがある場合
  • その他、編集スタッフが不適切と判断した場合

編集方針に同意する方のみ投稿ができます。

以上、あらかじめ、ご了承ください。

最新記事