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料理はできることから…1歳半は野菜ちぎる作業
子どもが2、3歳になると、料理を手伝いたがることがある。そんな時、安全を確保しながら少しずつ手伝わせることで、生活力が身に付き、親子で一緒に物事に取り組む貴重な時間にもなるという。
料理研究家の江口恵子さんは、3人の子どもが1歳半ぐらいから、料理を一緒にやってきた。「子どもといっしょに季節の食しごと&保存食」(マイナビ)の著書がある。
「仕事は忙しかったが、一緒に料理をすれば、子どもと過ごす時間も確保できるし、子どもが料理できるようになると、自分が楽になる。食育にもなり、一石三鳥です」
現在小5の長女(10)は、みそ汁やオムレツを一人で作れる。「いきなりできたわけではなく、少しずつ覚えた結果です」と江口さん。「卵を割る」「卵液を混ぜる」「フライパンに流し入れる」など、工程の部分部分をできるところからやらせてきたという。
最初は親が料理している様子を見せるだけでよい。手伝いたがるようになったら、できることから任せてみる。レタスやキャベツをちぎる作業は、1歳半ぐらいからできる。
子どもにできそうな作業が何もない時も一工夫。例えば、その日はタマネギは使わないとしても、タマネギを渡して皮をむかせ、冷蔵庫にしまっておいて後日使うなどする。
2、3歳になると、卵を割ったり、粉をふるったり、材料を混ぜたりすることもできるようになるが、台所を汚してしまうことも多い。江口さんは「粉が飛び散るような料理は、時間や気持ちに余裕のある週末に回したり、こぼさないように大きめのボウルを使ったりして、工夫するといいですね」と話す。
就学前の子どもとその親を対象にした料理教室「子育てキッチン」(東京都文京区)では、2歳児のクラスから、包丁や火を使う料理も教えている。講師の田中由美子さんは、「包丁は切れる、火は熱いということを体験することで、慎重に扱えるようになっていきます。ただし、けがをしないように、大人が細心の注意を払い、使い方のルールをしっかり教えて下さい」
包丁は、子どもの手に合った大きさで、きちんと切れるものを用意する。最初は大人が手を添え、食材を押さえる手は「グーの形」と覚えさせる。包丁を作業台に置く時には、必ずまな板の向こう側に、刃を向こう側に向けて置くことを守らせる。
火にかけた鍋やフライパンの中身を混ぜる時には、柄を大人が持ってしまいがちだが、そうすると、子どもの片方の手があき、鍋に触ってしまう。子どもに、柄をしっかり持つことを教える。
田中さんは「子どもが自分からやりたがる時が、料理を教える一番のチャンス。できることから親子で楽しんでみてください」と話している。
子どもの年齢と、できることの目安
●1歳半~
レタスやキャベツをちぎる。豆腐を崩す。ビニール袋に入れたキュウリを麺棒でたたいて崩す
●2歳~
タマネギの皮をむく。卵を割る。ホットケーキの生地を混ぜる
●3歳~
大人に手を添えてもらって包丁を使う。粉をふるう。型を抜く。パン粉をつける。白玉を丸める。シューマイの皮に種を載せて包む。ギョーザの皮2枚で種を挟む
●4歳~
ギョーザの種を皮1枚で包む
●5歳~
おにぎりやオムレツを作る。皿洗い
(江口さんの話をもとに作成)
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