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オトコのコト 医師・小堀善友ブログ

妊娠・育児・性の悩み

電気で射精する方法のあれこれ

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 さてクイズです。

 この写真をご覧ください(学会に出席した際に撮影した写真であり、はっきりと写っておらず申し訳ありません)。

 かわいい猫が何匹か写っています。向かって左側の写真には、なにやらダイヤルのついた機械があります。さて問題です。この機械は何の機械でしょうか?

 ブログの題名に書いてしまったのですが、実はこれは「猫を射精させるための機械」なのです。肛門などに、電気刺激を与えるための機械(プローブと呼ばれます)を挿入して、ある強さの電気を流してあげることにより、神経を刺激して射精させることができます。そうして、精液を確保するのです。

 なぜ精子を確保する必要があるかというと、動物の繁殖に用いるためです。また、希少動物の精子の保存に用いることもあります。ブタやウシなどの家畜動物だけでなく、シロクマやパンダ、さらにはイルカまで電気で射精させることができるのです。

 実は、この方法はヒトにも応用されています。たとえば、不幸にも重度の糖尿病や、脊髄損傷などの事故で神経にダメージを受けた患者さんの場合、射精ができなくなることがあります。その際に、この道具で電気射精が用いられることがあります。

 電気射精は、日本ではあまり一般的ではありません。厚生労働省のページでは「射精神経筋電気刺激装置」というものがありますので、薬事法では認められている道具ではあります。しかし、直腸内のヤケドなどの副作用もあるようです。また、脊髄損傷患者さんはもともと事故の手術を受けた後なので、電気射精によって合併症を起こしやすいというのも、この方法がはやらない原因の一つかもしれません。

 実は先日、機会がありこの機械を作っているアメリカ人のSeager(シーガー)先生に直接お話を聞くことができました。彼は安全な方法であると断言していましたが、今後調査して、可能であれば私も使用してみたいと考えています。

 他に、神経の障害で射精できない人に射精させる方法として、強烈なバイブレーターを陰茎にあてることにより、強制的に射精を促すという方法があります。これは、医療機器ではありません。電気あんまのようなものを陰茎にあてて、バイブレーターで刺激することで射精を促すのです。ただし、この方法も神経の反射で血圧が上昇するなどリスクもあり、医師の指導のもとで行われる必要があります。

 日本では赤ちゃんを希望する神経障害による射精障害患者さんへの不妊治療としては、一般的に精巣から組織を取り出して、精子を手術で採取する方法が用いられる場合が多いです。精巣精子の方が、長い間射精できていなかった神経障害患者の射出精子よりも質が良いために、生殖補助医療に用いるのに適しているからです。

 ただし、手術をせずに精子が確保できるということは、この電気射精にもメリットがあるということです。今後、さらなる安全な機械が開発されることを期待します。

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小堀善友 (こぼり よしとも)

泌尿器科医 埼玉県生まれ

2001年金沢大学医学部卒、09年より獨協医科大学越谷病院泌尿器科勤務。14年9月から米国イリノイ大学シカゴ校に招請研究員として留学。専門分野は男性不妊症、勃起・射精障害、性感染症。詳しくはこちら
主な著書は『泌尿器科医が教えるオトコの「性」活習慣病』(中公新書ラクレ)。詳細はこちら

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1件 のコメント

シャーレ、渡されて戸惑った先輩

めざめたじいさん

 35歳で結婚し、子どもが授からないと嘆いていた先輩がいた。不妊治療に通い、医師の指導を受けたという。精液をを調べるため、採取してくるようにとシ...

 35歳で結婚し、子どもが授からないと嘆いていた先輩がいた。不妊治療に通い、医師の指導を受けたという。精液をを調べるため、採取してくるようにとシャーレを渡され、戸惑ったという。

 一般の男性だったら、誰でも分かるはずだが、先輩には経験がなかったのか、無知だったのか。

 医学の進歩は、ただただ驚くばかり。いや、私の無知に恥じ入る。射精障害者がいることさえ知らなかった。身体障害者の射精を手伝い介護者のいることも・・。

 高校の農業授業で家畜の精液採取法を学んだが、偽牝台に度肝を抜かれた経験がある。

 機械や道具を工場で作るが、最近は農作物の工場で作り、魚も工場で増やす。家畜も工場で作る時代が来ているのだろう。

 電気射精の場合も「賢者タイム」はあるのだろうか。

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