文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

臨床の現場から

からだコラム

[臨床の現場から]死に対する意思 明確に

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 このコラムも最終回です。そこで今回は、人生の最期の時について考えてみましょう。

 古くから医師は、患者の命を長く保つために、できるだけのことをすべきだと教えられ、何の疑問もなく実行してきました。しかし、寝たきりの高齢者が急増して、社会的な問題になりました。人々がそれぞれの経験からただ生かされているだけの治療に疑問を持ち、尊厳のある死について考え、議論するようになりました。

 こうした背景から今年、厚生労働省は「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」を発表しました。人生の最終段階を迎えた患者に最善の医療とケアを提供するための過程のあり方を示したものです。

 〈1〉患者が意思表示できる場合は、十分な説明を受け、自分の最終時に希望する医療を関係者と話し合い、決定する〈2〉直接、意思確認できないが、家族が患者の意思を推定できる時はそれを尊重する〈3〉家族にも意思が伝えられていない時は、医療従事者と家族が十分に話し合い、慎重に判断して第三者委員会の検討・助言のもとに決定する――という内容です。

 自分の死について家族と話し合う機会はまれで、だんらんの席では避けたい話題ですが、身近な方の死を契機にぜひ、話し合ってみて下さい。ちなみに2013年の調査では話し合った経験のある一般の方は2・8%、医師・看護師でも10%に過ぎませんでした。

 いかに生き、いかに死ぬかは本人の意思です。生前に意思を書いておくことは、最期の時に自分の意思を尊重してもらうため、そして家族や医療関係者の迷いを軽減するためにも重要です。また、ある年齢に達したら、死を意識して残りの人生を有意義に生きることを心がけたいものです。(山本紘子・藤田保健衛生大名誉教授)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

karada_400b

 
 

からだコラムの一覧を見る

臨床の現場から

最新記事