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アートメイクは「医療行為」…医師免許確認を

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無資格業者、昨年40件摘発

 針で皮膚に色素を注入して眉などを描く「アートメイク」で、無資格業者による健康被害が相次いでいる。化粧の手間が省けると女性に人気だが、「医療行為」に当たる。

 昨年は無資格業者の摘発が最多となった。医師免許の有無を確認するなどの注意が必要だ。

 アートメイクは、専用の針で皮膚のごく浅いところに色素を注入する。眉やアイライン、唇が主な施術部位で、3、4年保てるのが一般的という。日本では、1990年代から広がり始めた。厚生労働省は、2001年にアートメイクが医療行為に当たるという見解を示している。

 無資格業者の施術による健康被害は深刻だ。国民生活センターには相談が相次いでいる。「自宅に業者を呼んで施術を受けたが、両まぶた、両頬の腫れがひかない」(50代女性、今年2月)、「眉の施術をしたが、1週間腫れ上がった状態が続いた」(30代女性、昨年11月)などだ。

 センターによると、06年度~11年度に計121件の相談があり、皮膚の腫れや化膿かのうだけでなく、角膜の損傷といった深刻な被害もあった。95%がエステ店など無資格業者による施術だったと推測されるという。

 警察庁によると、14年にアートメイク施術に関して医師法違反の疑いで摘発した事件は、前年比24件増の40件で、統計の残る10年以降最多だった。摘発したのは、いずれもエステ店でそのうち3店舗は「出張」形式で営業していた。中には、10年ほど前から開業希望者向けの「スクール」を開き、計約550人に施術方法を教えていた店もあった。

 東京都の女性会社員(34)は7年前に近所のサロンでアイラインのアートメイクの施術を受けた。経営者は「痛みはほとんどない」「アートメイクの資格を持っている」と説明したという。しかし、施術を受けると痛みと腫れに苦しみ、アイラインも不自然な線を入れられてしまった。サロンに電話をしても対応がなされず、返金もされなかったため、病院に行きレーザー治療で線を消した。「アートメイクが医療行為ということは知らなかった。お金もかかったし、嫌な思いもした。きちんと調べなかったことを今でも後悔している」と女性は話す。

 医療機関で作る「日本メディカルアートメイク協会」の理事でシロノクリニック(東京)総院長の城野親徳さんは、「水で落ちないし、化粧も楽になると気軽に考えがちだが、アートメイクは入れ墨の一種。よく考えてから施術を決断してほしい」と話す。

 同院にも無資格業者の施術で被害を受けた女性が訪れるが、ほとんどの人がアートメイクが医療行為ということを知らないという。協会では、施術を受ける前に医師免許を有しているか確認するように呼びかけている。城野さんは「施術の際は麻酔をするし、施術後のケアも必要。知識のある医師から適切な施術を受けるようにしてほしい」と注意を促す。(野倉早奈恵)

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