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いのちに優しく いまづ医師漢方ブログ

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体調管理に気を配る春…気分をやわらげるシナモンがおすすめ

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 土の中から新芽が出始め、花がほころび、虫たちが元気になる季節。春は、気持ちの良い季節ですね。しかし、この季節に体調が優れない方が、多くいらっしゃいます。

 春は、寒い冬から気温が上がり、着る物も薄着になる時です。しかし、夕方に気温が急に下がったり、冷たい風が吹いたりします。1日のうち、最高気温と最低気温の差が一番激しいのが、この季節です。

 寒暖の差で、おなかを壊すことが多くなります。「お腹の風邪」をひいてしまい、腹痛や下痢に悩まされることがあります。こんな時は、胃腸を温めると良いでしょう。温かい白湯さゆを朝、昼、夕、寝る前と、一口、飲むようにしましょう。白湯が胃腸を温め、体の芯から、ゆっくりと胃腸の疲れをとってくれます。

 気温の変化や気圧の変化で体調をくずしやすい春は、冬以上に気を遣う必要があります。以前に手術を受けたことがある方は、傷痕がシクシクと痛んだり、突っ張ったりします。

 急性虫垂炎(一般には、盲腸と言われています)を例にお話ししましょう。最近の急性虫垂炎の手術は、腹腔鏡ふくくうきょうで手術を行いますが、以前は、開腹手術でした。開腹手術を受けた方のお腹には、右下に手術の痕が残ります。皮膚には手術の痕だけですが、お腹の壁にも、手術による傷が残っています。このお腹の壁の部分が、痛みの原因のようです。

 もし、傷痕が痛んだり、突っ張ったりした場合は、傷痕を温めると良くなります。ご自分の手をソッと当てて温めても良いでしょう。

 春になると気分が落ち込んだり、気持ちが不安定になったりすることが多いようです。特に女性は、感情の浮き沈みが激しくなったり、ちょっとしたことで思い悩んだりするようになります。

 漢方医学では、「」の問題が起こっていると考えます。この「気」の問題を治療するときには、桂枝けいしという薬草が使われます。桂枝は、みなさんもご存じのシナモンです。シナモンには気分をやわらげる作用があります。もし、気分が落ち込んだり、不安定だったりする時は、紅茶やコーヒーにシナモンを入れることをお勧めします。

 新学期が始まり、新しい環境で気持ちも体も緊張する春は、体調管理に気を配る必要があります。どうか、みなさんが明るく笑顔で毎日を送ることが出来ることを心からお祈りしています。

 
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いまづ医師の漢方ブログ_顔120

今津嘉宏(いまづ よしひろ)

芝大門いまづクリニック(東京都港区)院長

藤田保健衛生大学医学部卒業後に慶應義塾大学医学部外科学教室に入局。国立霞ヶ浦病院外科、東京都済生会中央病院外科、慶應義塾大学医学部漢方医学センター等を経て現職。

日本がん治療認定機構認定医・暫定教育医、日本外科学会専門医、日本東洋医学会専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医

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2件 のコメント

春と気分

ちびまる子

シナモンに気分を和らげる作用があるのは知りませんでした。晩秋、ホットアップルジュースにシナモンスティックを添えて飲むと、ほっとしたような、豊かな...

シナモンに気分を和らげる作用があるのは知りませんでした。
晩秋、ホットアップルジュースにシナモンスティックを添えて飲むと、ほっとしたような、豊かな気分になるのはそのせいでしょうか。
紅茶にシナモン、やってみましょう。

長い冬のあと、春はうきうきもします。木々の芽吹き、花が咲き始めるころ、嬉しいことも多いですが、気分が上がらないこともあります。
神経が敏感になっているのかもしれません。寺田先生がおっしゃるようにいろいろなことが絡み合って。
自分も今津先生の仲間、医師ですが、身体に毒が溜まっているような気がするということもあり、デトックスしたい!と思うこともあります。
春の野菜(特に山菜)はそんな身体に良いそうです。そういった野菜やスパイス、自然のものを上手に取り入れたいですね。

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ストレスと連鎖反応 症状との付き合い方

寺田次郎関西医大放射線科不名誉享受

健診業務に携わって5年目、企業や学校に出入りして、人間の形成過程や出来上がり像を見て考えさせられます。特有の思考や感情、生活習慣に起因する心身の...

健診業務に携わって5年目、企業や学校に出入りして、人間の形成過程や出来上がり像を見て考えさせられます。

特有の思考や感情、生活習慣に起因する心身のストレスに起因する症状からそうでないものもあります。


原因のわからない動悸や胸痛、頭痛なんかは多いです。

脳=中枢神経ですから、胸部の神経系を通して、心臓に繋がっています。
痛みなどの刺激シグナルやホルモンやその他の物質を通して、直接間接に動悸が発生することもあり得ますし、ストレスによる狭心症様の血管収縮発作は脳でも心臓でも考えやすいですね。

鎮痛剤だけでなく本文のような神経を和らげる方法も合理性があります。
 
春先は人事異動や入学など、生活環境から役割の変化まで種々の変化が伴いますので、原因を特定するのが難しいところもあります。
そういう意味で、症状の出現時期や増強の程度、再現性の可視化が重要になってきます。


勿論、血液検査や画像診断その他の検査でわかるような「病気」を無視するのは良くありませんが、多くの若年や壮年の方はもっと境界領域の症状や季節性の外部要因(花粉や飛来する化学物質、食物中の特定物質など)に起因する症状に遭遇する確率が高いのではないかと思います。


改めて、人間の身体の不思議は解明されていませんし、西洋医学的な発想であれ、東洋医学的な発想であれ、症状や原因が改善して上手く付き合えればいいと思います。

根本的には症状という生理的な反応に対して理解を深めることですね。

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