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[臨床の現場から]在宅療養 短期間でも試みよう

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 日本では、自宅よりも病院で亡くなる人の方が多く、8割を超えています。病院への長期入院による医療費の増加が財政を圧迫するため、厚生労働省は在宅医療を推進しています。しかし、独居や高齢夫婦のみの世帯が1000万を超え、同居の子供はいても昼間は不在など、在宅医療の実現は容易ではありません。

 脳卒中ならば、救急車で急性期病院に運ばれて救急治療を受け、症状が安定すれば2~3週間で回復期病院へ移り、リハビリを集中的に行い、発症から6か月で自宅へ退院というのが想定です。急性期病院でリハビリができるまでに回復しない場合や、リハビリしても自宅療養が難しい場合は療養型病院に転院し、更に治療を続け、数か月を目途めどに自宅に帰るか老人保健施設などに移ることになります。自宅での療養が可能なほど回復しても、介護する家族がいないため、病院や施設を転々とする場合が多いのも実情です。

 「病院から追い出された」と嘆く言葉を耳にします。それぞれの病院には果たすべき役割と望ましい在院期間があり、基準に照らして退院を促しています。慢性期を担う療養型病院にも、いつまでもいることはできません。急性期病院と同じ治療を療養型病院に期待されても医師、看護師の数、設備が全く異なり、無理なのです。

 近くの病院、施設の特徴や機能を調べ、介護保険の仕組みなどを熟知しておくことは重要です。

 入院させておけば楽と考えず、本人の希望があれば短期間でも在宅療養を試みてください。そして、無理になったらケアマネジャーと相談しましょう。

 穏やかな在宅療養や家庭での看取みとりは、子や孫のための優れた教育の一つと考えます。(山本紘子・藤田保健衛生大名誉教授)

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