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元気なう

(3)適切な度数の眼鏡使う

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 裸眼の視力が1.0未満の小学生は3割、中学生は5割強――。今年度の文部科学省の学校保健統計調査はこう報告する。昭和50年代の、それぞれ1割台後半、3割台中盤から急増した。近視に遺伝は無関係ではないが、視力低下には生活習慣がより大きく影響しているとみられる。

 近くで物を見る時間が長いと視力は下がる。菊地眼科クリニック(川崎市)院長の菊地琢也さんは「勉強やテレビ観賞で近くを見る場面が増えた。最近はスマートフォンやゲーム機を手元で見る子供も多い」と背景を話す。外で遊ぶ時間を増やし、勉強の合間に遠くを見るなどを、習慣付けることが大切だ。

 視力が低下したら、適切な度数の眼鏡を使いたい。「眼鏡は視力低下を進める」と考える両親もいるが、誤解だという。子供が眼鏡を使わず遠くがぼやけた状態で過ごすと、〈1〉授業の理解が不十分になる〈2〉運動の技能が伸び悩む――などの弊害が出る。激しい運動をしても外れにくいバンド付き眼鏡もある。

 同じ眼鏡をかけていても、数年間で見え方が変わることがある。視力には眼球の大きさが関係しており、成長とともに眼球は大きくなるからだ。見え方の変化に気づかない子供もいるので、菊地さんは「年1回眼科で定期検査を受けてほしい。親が子供の見え方に気遣うことも大事だ」と語る。

 特殊なコンタクトレンズを就寝中に付けたり専用の遠近両用眼鏡を付けたりして視力低下の進行を抑える研究もある。近視が回復するわけではないが、試したい場合は、眼科医に相談するといい。(米山粛彦)

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