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いのちに優しく いまづ医師漢方ブログ

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新しい出会いの季節に、医学系セミナー3題

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 4月は、新入学、入社式など、新しい出会いがたくさんある時期です。この春、医学部を卒業して、夢と希望を抱え、研修を始める新人の医師にとっても、4月は新しい環境での厳しい毎日の始まりです。

 今から27年前、私も新人の医師として、慶應義塾大学病院で研修を受けました。新人の医師の朝は、入院している患者さんの血液検査を行うことから始まりました。朝早くから注射器を持って病棟を歩いている新人の医師は、患者さんから「吸血鬼」と呼ばれていました。

 そんな毎日の研修では、机の上で学んだことを自分の頭で考えて、判断することの難しさを学びました。当時はまだ携帯電話やインターネットがありませんでした。わからないことがあると、仕事の合間に図書館で文献を調べる必要がありました。そんな時、先輩の医師や看護師さんから教えてもらう知識と経験は、文献にも載っていない貴重なものでした。

 実際に、先輩の医師が患者さんへ説明している話を聞いたり、看護師さんが患者さんにやっている処置の方法を見たりすることで、多くのことを学びました。まさに、目と耳で学問を吸収していったのです。

 そして、医師になった今、私は、患者さんから多くのことを教えてもらっています。毎日の診療で、おじいさんやおばあさんが口にする言葉から、少しでも長く体を使い続けられる工夫を学びます。小さな子どもからは、素直に感情を表現する大切さを知ります。私にとって、患者さんと話をすることは、本当に、勉強になる時間なのです。

 医学は日進月歩です。常に新しい情報が発信されています。私は、1年を通して、さまざまな学会へ参加して、多くのことを吸収しています。

 特に今年は、4年ごとに開催される日本医学会総会の学術講演が、2015(平成27)年4月11日(土)から、京都で開催されます。同じ日、東京の日本教育会館では、第18回 オンコロジーセミナー「高齢者がん治療とチーム医療―高齢者がん治療の問題をどのようにとらえ実臨床でどう生かすのか―」が、開催されます。私は、お昼の時間にお弁当を食べながら勉強するランチョンの講師を担当させていただき「高齢者がん患者への漢方医学」について、お話しさせていただきます。

 そして、同日、熊本では「フォーラム がんと生きる ~こころとからだ 私らしく~」が開催されます。基調講演は、わたしの恩師である国際医療福祉大学学長の北島政樹先生です。私は、会場に設置される展示パネルの監修を担当させていただきました。もし、会場へお見えの方がいましたら、ご覧になってくださいね。

 4月、どうか、みなさんにとって、すばらしい出会いと感動の毎日になりますように、心からお祈りしています。

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いまづ医師の漢方ブログ_顔120

今津嘉宏(いまづ よしひろ)

芝大門いまづクリニック(東京都港区)院長

藤田保健衛生大学医学部卒業後に慶應義塾大学医学部外科学教室に入局。国立霞ヶ浦病院外科、東京都済生会中央病院外科、慶應義塾大学医学部漢方医学センター等を経て現職。

日本がん治療認定機構認定医・暫定教育医、日本外科学会専門医、日本東洋医学会専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医

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1件 のコメント

デジタルとアナログと成長や職場の多様化

寺田次郎関西医大放射線科不名誉享受

麻酔科学会に来ています。機械の高度化やオートメーション化の進歩に驚きます。ソフトのスマートフォン化だけでなく、物品管理や薬品情報まで最新機器はカ...

麻酔科学会に来ています。

機械の高度化やオートメーション化の進歩に驚きます。
ソフトのスマートフォン化だけでなく、物品管理や薬品情報まで最新機器はカバーしてくれます。


今でも危険薬物の流量などのアナウンスはつくらしいですが、今後は電子カルテとの連携による相対禁忌や絶対禁忌のアラームや後発医薬品の情報などのカバーも進むでしょうし、下手をすると、使用薬品の混注などの作業もある程度機械化されていくかもしれません。

「自動化は若者を馬鹿者にする」という一部のベテランの意見もあるよるで、確かに最新機器に慣れきった若者が、そうでない施設に行けば、適応障害の時期もあるでしょう。

実際、麻酔科専門医と後期研修医(レジデント)では同じ業務でも感じるストレスが違うという発表もあり、業務への慣れや成長しなければいけないストレスは個体差が大きいものです。

実務だけでなく、人間関係や社会人としての経験の問題もあり、複数のストレスにさらされるとエラーが誘発されやすくなります。

その時に、周囲の人間の反応によっては、新人はドロップアウトしてしまうでしょう。

僕は医師の世界の状況をイメージしながら書いていますが、他の職種でも同じだと思います。

医療の高度化や機械化は求められる能力や職場の新しい在り方を促進しています。

おそらく、多くの上司も新人も手探りなのではないかと思いますが、一部の能力の未成熟に目をつぶっていてでも現場の仕事をこなしながら学習や生活しないといけない難しさはあるのではないかと思います。

専門医資格や実務能力や地域医師数及び様々な医療受給者の分布によって、また制度改定もあることでしょう。

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