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[臨床の現場から]高齢男性 家庭でも活躍を

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 男女が互いに人権を尊重し、それぞれの能力を十分に発揮できる社会を目指して、「男女共同参画社会基本法」が施行されてから15年余になります。2020年までに指導的地位を占める女性の割合を30%にする目標も掲げられました。しかし、男女格差を表す指数で、日本は昨年142か国中104位と下位で低迷しています。

 社会での女性の活躍は、なかなか進みません。その裏腹の関係にある家庭での男性の活躍もあまり進んでいません。特に高齢者では家庭での男女共同参画など、奥さんが病気でない限り、あり得ないという感じです。

 外来に60歳ぐらいの女性患者さんがめまいや頭痛などで受診されることがあります。めまいや頭痛が、病気のどの分類にも当てはまらない時、「ご主人は?」と尋ねます。すると、ほとんどが「定年で家にいます」と答えます。「食事の支度が大変ね」と言うと、中には「外出もできない」と涙ぐむ人もいます。

 80歳を超えた男性が病気になると、自分でできることも全くせずに、80歳近くの奥さんが家事と看病で疲弊して、どちらが病気か分からない時もあります。奥さんが先に亡くなられたケースもありました。

 「夫原病」という夫にとって不名誉な新語があります。「男は会社、女は家庭」というかつての固定化された役割分担で、退職後20年の超高齢社会を生きる女性は、夫の世話で一生を終えるかと思うと気分は重くなります。自分も高齢になって体が思うようにならなければなおさらです。

 高齢者夫婦のみの世帯が550万以上という現在、家庭でも男女共同参画が必要です。男性は、会社で発揮された能力を家庭でも発揮しましょう。(山本紘子・藤田保健衛生大名誉教授)

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