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宋美玄のママライフ実況中継

コラム

産後クライシス…夫婦仲が急激悪化

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 東京でも桜が開花し、春がやってきました。娘は早速、桜の花の名前を覚え、街で桜の木を見かけると一緒に写真を撮りたがります。娘の写真が綺麗きれいに撮れるようiPhone6Plusに買い替えようかと思っているのですが、親バカでしょうか。親バカですね。

「夫より子ども優先」スザンヌさん会見で注目

 先週、タレントのスザンヌさんと野球解説者の斉藤和巳さんの離婚が発表され、スザンヌさんが会見で、子どもが生まれてから夫より子ども優先になったことも原因かもしれないという主旨のことを話されたことから、「産後クライシス」が注目を集めています。

 産後クライシスはNHKの「あさイチ」という情報番組が作った言葉で、出産後に夫婦仲が急速に悪化する状況を表すそうです。

 ベネッセ教育総合研究所が2006年から2009年に行った300組の夫婦を第1子が2歳になるまで継続調査した結果によれば、妊娠に「配偶者といると本当に愛していると実感する」と答えた割合は74.3%で夫も妻も差はないものの、出産後は妻側の「愛している」割合は右肩下がりに急速に減少し、子どもが2歳になるころには34.0%となっています。

 夫の方も妻ほどの減り方ではありませんが減少の一途をたどり、2歳の時点で51.7%となっています。これはなかなか衝撃的なデータではないでしょうか。愛し合う二人が子どもを授かり、子どもが一番かわいいとされる乳幼児期に愛情が減っていくなんて、と意外に思われる方も多いかもしれません。ベネッセの調査によれば、妻側が産後も「愛している」と答えた人たちは、「夫が育児に協力してくれている」と答えた割合が7~8割と高かったため、夫の育児参加が産後の夫婦の愛情を保つ鍵だという分析がなされていました。

「子どもをかわいいと思う余裕がなかった」小雪さん発言も…

 先日、第3子の妊娠を発表した女優の小雪さんが第1子を出産した後、「最初のうちは育児が大変で子どもをかわいいと思う余裕がなかった」との発言が話題になったこともきっかけとなり、近年、産後に対する関心が高まっています。

 当時の小雪さんの発言は至極もっともなものであるにもかかわらず、批判もありました。女性は出産すると「母」になり、「母性」というものが湧き出て来て赤ちゃんがかわいくてたまらず、育児に自己犠牲を払うのは苦でないはずだと通念的に思われているようで、妊娠中は大切にされますが、産後大事にされるのは赤ちゃんだけ、ということは珍しくないですよね。しかし、出産はどんな方法であっても体力を消耗し身体にダメージが生じます。そして、産科医ならまだしも、ほとんどの母親は夜中に何回も起こされるということに慣れてはいないのではないでしょうか。慣れない母乳育児も重なり、いくら赤ちゃんがかわいくても心身の負担が吹き飛ぶというのは難しいでしょう。第1子でない場合は、育児に慣れはあるものの上の子の世話もあり、体力的にはさらに厳しくなります。そして通常、育児以外の家事もあるわけで、夫の関わりが少なければ不満はあって当然です。また、妊娠中に増えていたエストロゲンという女性ホルモンが、出産後は急激に低下し、抜け毛やちつ乾燥に加えて抑うつが起こりやすくなります。さらに、授乳によって分泌されるプロラクチンというホルモンは性欲を低下させるため、おなかから赤ちゃんがいなくなったからといって、妊娠前の夫婦関係に戻れると思っていた方は現実とのギャップに戸惑うと思います。

私の場合…夫になるべく期待しない

 夫にとっても小さな赤ちゃんのいる生活は慣れない初めての経験であることが多いはずで、今まで身の回りのことを妻に手伝ってもらっていた人なら尚更、妻が子どもにばかりかかりきりで自分が置き去りにされた気持ちになるかも知れません。産後に夫婦関係を維持するためには、妻側の内分泌的変化(ホルモンバランスの変化)を含めた環境を双方が十分理解した上でコミュニケーションを取る必要があるのではないでしょうか。自治体の補助を利用したりしてある程度家事をアウトソーシングするなど、許容範囲を超えて仕事を抱え込まないことも大切なことです。赤ちゃんが生まれて、夫より妻より赤ちゃんの方が優先順位が上になるのはある意味自然なことだと思いますし、夫婦だけの時間も捻出しながら全員で家族になればいいと思います。

 「産後」について半ば理想論を含めて書きましたが、私の場合は「夫になるべく期待しない」「最低限のことをしてくれれば評価する」という方法で乗り切っています。いや、甘いってよく言われるんですが、他人を変えるより自分を変える方が楽かなと思ってしまうんですよね…。

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宋 美玄(そん・みひょん)

産婦人科医、医学博士。

1976年、神戸市生まれ。川崎医科大学講師、ロンドン大学病院留学を経て、2010年から国内で産婦人科医として勤務。主な著書に「女医が教える本当に気持ちのいいセックス」(ブックマン社)など。詳しくはこちら

このブログが本になりました。「内診台から覗いた高齢出産の真実」(中央公論新社、税別740円)。

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8件 のコメント

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産後4ヶ月でギクリ?!

ものか

妊娠していた時にききましたが初心者マーク付きおばあちゃん さんタクシーの運転手さんにこんな話をされました。その運転手さんはもう60代で前は違う職...

妊娠していた時にききましたが
初心者マーク付きおばあちゃん さん

タクシーの運転手さんにこんな話をされました。
その運転手さんはもう60代で前は違う職業だったけれど若い頃は共働きだった時期もあり息子の育児は妻に任せ夜中に泣けば「何で泣かせるんだ」と寝られず疲れたイライラから妻に当たってしまい後悔している、という話でした。孫が生まれたからより一層当時が思い出され後悔しているけれど妻にはそれを言わない、言えないのだそうです。今更と思ってしまうし、妻は犬がいなかったら貴方なんかとはとうに離婚してるというので言えないのだそうです。息子がいなければ離婚だったのだろうかとか妻は俺をもう好きじゃないのかと思うのだそうです。また妻と何処かに旅行に行きたいと思う事もあっても邪険にされている気がして喧嘩になるだけだそうです。そもそも言い出せないそうです。息子にももっと構ってやれば良かったと孫のお宮参りの話題が出たりすると後悔するけれど今更何を言っても、なのだそうです。
という話をききました。同じ様な話を何人かのお爺さんにされました。世代なのかもしれませんが後悔しても口に出せないで喧嘩になる人が多いのでしょうか。直接関係ありませんが、何となく、こういう事は奥様に言うべきだろうなぁと思ったのを思い出したので。私は赤の他人なのでこういう話をし易いんでしょうね。
私も子供優先になって夫の子供さに喧嘩になる割合が増えてきたので気をつけたいです。

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男女同権の晴れ時々雨 社会構造の被害者

寺田次郎関西医大放射線科不名誉享受

似たような話は多く、一定確率でシングルマザー・ファザーは生まれます。耳年増な経験も勉強も重ねると、現代社会の構造上「そんなもんだろう」と思います...

似たような話は多く、一定確率でシングルマザー・ファザーは生まれます。

耳年増な経験も勉強も重ねると、現代社会の構造上「そんなもんだろう」と思いますが、道徳上の「理想の夫婦道徳物語」の中で、男が加害者で、女が被害者に見えます。

しかし、浮気や不倫をする男性はある一定数いますし、女性にもいます。

人間なんてその日の都合や気分で生きている生き物だから当然とも言えます。

ドライに言えば、選んだ側にも、相手を「育てた」側にも責任があれば、日にちがかぶったかどうかデジタルで考えるのは無理もあります。

タチが悪いのになると、離婚や別れの条件を有利にするために、後付けでそういう物語を集団で誘導したり作ったりする人もいるようです。
これを判断する第三者があらかじめグルなわけですね。

大病院の政治ではよくあるらしいですね。
地域ぐるみで権力者に加担して追い込みをかけたりする場合もあるようです。


もっとも、普通の若者はそんなことを知りませんし、子供ができてどう生活が変わるかの想像もつかない人が多いでしょう。
ましてや法律や政治がらみの話なんて知らないですよね。

そういう知識を得るためだけでも、法律とか社会制度の勉強って大事だと思います。 

昔からあるそういう問題ですが、現代社会で表在化したり加速化している部分はあるでしょう。


多分、本音の部分では皆余裕がなくて、解決策や支援を探すより、他人の非難をするんでしょう。

特定地域だけでない現象なので難しいですが、何かできることを重ねるのが大事かもしれません。
僕もドライな目線のほかに少しの優しい行動を持とうとは思います。

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期待してないけど

ちゃー

私も産後クライシスで離婚しました。夫に期待なんてしていませんでした。(やらせてもかえって仕事を増やされるだけなので)家事の協力を求めたこともあり...

私も産後クライシスで離婚しました。
夫に期待なんてしていませんでした。(やらせてもかえって仕事を増やされるだけなので)家事の協力を求めたこともありません。
ただ、私が育児に四苦八苦しているのに仕事をしていないんだから家事も育児もひとりでやるのは当たり前、ダンナが育児休暇をもらってる間もエアコンをガンガンかけてゲーム三昧で風邪をひきこちらの足を引っ張る。
こんな人に愛情もくそもありません。
せめてゲームばかりして遊んでる姿を見せないで欲しかったです。

何度も死ねばいいのにと思いました。

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