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歯科矯正はいつから?…あごの修正なら早めに
歯並びを整えたり、かみ合わせをよくしたり。子どものうちから「歯科矯正」をするケースが少なくない。治療はどんな内容なのか。いつ始めるとよいのか。基本的なことを知っておきたい。
「歯並び(歯列)がよくない。そのままにしておいていいのか迷っている」。子どもの歯が乳歯から永久歯に生えかわってくると、歯科医には親からそんな相談が多く寄せられる。並び具合だけでなく、上の歯列が下の歯列より前に出ている「出っ歯」や、下が上より前に出ている「受け口」などのケースもある。
東京医科歯科大歯学部長の森山啓司さんは、「見た目だけではない。発音がしづらい、食べ物をかみにくいなどの機能的な問題が起こりがち」と指摘する。
子どもが7、8歳以降なら、乳歯と永久歯が混在していても、レントゲン撮影で今後の歯の生え方はおおよそわかるという。すぐに治療を始めなければならないのか、歯科医とよく相談したい。
日本臨床矯正歯科医会副会長で、前田矯正歯科クリニック(横浜市)院長の前田
早期治療の必要がなければ、永久歯が生えそろってから矯正してもよい。治療は、歯に金具を接着し、ワイヤを通して歯並びを整える装置「マルチブラケット」を使うのが一般的で、治療には2~3年かかる。「治療を始める時期は、部活動や受験などの都合も考慮して、医師と相談して決めるといいでしょう」と前田さん。
歯科矯正は、原則、保険が適用されない自由診療だ。費用は、歯の状態や、医療機関によって異なるが、早期治療だけで20万~50万円。永久歯の歯並びが整うまでの総額は60万~120万円程度になるという。
治療は長期にわたるため、治療先の選択は慎重にしたい。「不適切な矯正を受けると、再治療が必要になることもある。歯科医選びは、『日本矯正歯科学会』の認定医や専門医などの資格を持っているかが一つの目安になる」と東京医科歯科大の森山さんは話している。
■子どものうちに治療したほうがいいケース
・あごの横ずれや受け口など、あごの位置の修正、成長のコントロールが必要な場合
・かみ合わせがよくなく、歯がすり減ったり、ぐらぐらしたりしている場合は緊急に治療を
■こうした歯科医を選びたい
・最初に、レントゲン撮影などの検査をきちんとする歯科
・費用を一括して支払う場合、通えなくなった時に未治療分を返してくれる
・日本矯正歯科学会の認定医や専門医などの資格を参考に
(前田さん、森山さんへの取材をもとに作成)
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