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すてきライフ

yomiDr.記事アーカイブ

ライブで吐き出す自分

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 常に死を思っていないと、生きている意味がない。生かしてもらっている意味がない。昔からずっとそう考えていました。

 2年ごとに「狂宴封鎖的世界」と名づけた単独ライブを続けています。テーマは生と死、宗教、差別、震災……。関連する文献を読み、脚本を書き、演じます。

 今どきのツイッターだと、両面の意見を聞かずに思ったことを発言する。その場の感情がすぐ消化できちゃう。怖いなあと思う。私はツイッターやブログはやりません。その代わり、単独ライブで、ためたものを一気に吐き出す。何となく日常に違和感を持つ人に大事なところが伝わればいいと思っています。

 ふだんは独りの世界に閉じこもるのが好きですが、満員電車やスクランブル交差点の人混みで自分と他人の心がごっちゃになる感覚も、それはそれで心地いい。東日本大震災や日本人人質事件が起きると、絆や連帯という言葉が流行しますよね。他人とつながれば安心できる。でもそれは空虚な、ある種の自己暗示でしかない。かといって孤独は怖いし苦しい。私たちは結局、その両者の間をもがきながら生きなきゃいけないんです。

 最近、ガールズバンド「Draft King」のビデオ監督に初挑戦しました。かわいらしい作品に仕上がりました。ライブやコントは流血の場面が多いですが、大丈夫、今回は血は少ししか出ていません。(聞き手・高倉正樹、写真・藤原健)

 鳥居(とりい) みゆきさん お笑い芸人。1981年、秋田県生まれ。「東北魂TV」(BSフジ)レギュラー。言葉遊びや時事ネタを取り入れた知的な芸風で知られる。

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