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[臨床の現場から]若い頃から摂生を

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 「健康とは身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態で、単に病気や病弱でないということではない」。1948年に制定された世界保健機関(WHO)の健康保健憲章前文です。この定義に従うと、超高齢社会の日本で、健康な人はどのくらいいるでしょうか?

 世界的にも高齢化が進み、定義が時代にそぐわないと考えられるようになりました。99年には「健康とは身体的、精神的、霊的に、完全に良好な動的状態で、」と前半を変える提案がなされました。

 健康と病気を連続的なものと捉え、少々不具合があっても、心理的にも安定して社会の一員として活動できれば健康と考えようというものです。例えば、糖尿病でも血糖コントロールが良く、仕事ができている場合や、骨の変形で動きが制限されるものの、日常生活が自立して送れる場合などは、病気と考えずに健康と思って、前向きに生きようという提案です。

 いずれにしても健康を願うなら、常にバランスの良い食事をとり、適度の運動を行い、適量の睡眠をとることが大切です。

 若い時の不摂生や極端なダイエットは、体に記憶され、病気になった時に影響が出ます。例えば、肝炎に罹患りかんした場合、それまでバランスの悪い食事や、アルコールの多飲、薬の服用、肥満など肝臓に悪い生活を続けていると、治りが悪く、肝硬変などに進行する場合があります。また、脳は、酸素とブドウ糖を利用して働きますが、糖尿病などで低血糖状態が繰り返されると認知症になりやすくなります。

 昭和20~30年代には、学校や家庭で食事や運動、睡眠について厳しくしつけられていましたが、最近はあまりうるさく言わないようです。健康長寿のために、若い頃から摂生を心がけましょう。(山本紘子・藤田保健衛生大名誉教授)

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