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市民ランナー憧れの舞台…NYCマラソン(上)

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ランナーと観客で埋め尽くされたブルックリンのストリート(2014年、Courtesy NYRR)

コース中ほど、クイーンズから望むミッドタウンのスカイラインを背に進む(2014年、Courtesy NYRR)

 「海外マラソンのススメ」もいよいよ最終回となりました。ラストを飾る大会は「TCSニューヨークシティー・マラソン」です。「ワールドマラソンメジャーズ」のひとつで、海外マラソンの中でも世界最大級、全世界の市民ランナーが憧れるといっても過言ではない大会をご紹介します。


魅力その1…五つの地区を巡る多彩なコース

 ニューヨークシティー・マラソンは、ニューヨーク州の五つの地区(スタテンアイランド、ブルックリン、クイーンズ、マンハッタン、ブロンクス)をすべて通るコース設定となっています。スタート地点のスタテンアイランドには、マンハッタンからバスやフェリーで移動します。

 スタート地点は、ゼッケンの背景色(オレンジ、ブルー、グリーン)ごとにエリアが分かれているので、まずは自分のカラーの場所へ。そこからカラーごとに申告タイムで設定されたウェーブ1から4までの時間差スタートがあるのですが、手慣れたボランティアによって案内されてスタートします。5km過ぎまではカラー別に別々のコースを走ります。号砲と同時に流れるのは「ニューヨーク・ニューヨーク」。どうしようもなくテンションが高まります。

 コースでは、五つの大きな橋を渡ることになるのですが、最初に渡るのは「ヴェラザノ・ナローズ・ブリッジ」。天気がよければ、青い海と空、遠くに見える摩天楼を見ながら最高に晴れやかな気分で走ることができます。

 次のブルックリンでは、マンションから大音量で音楽を流してくれたり、バンドで盛り上げてくれたりととにかくにぎやか。このにぎやかな中、ユダヤ系の方々は整列して、とても静かにランナーを見守っているのが印象的です。

 そしてコース一番の難所と言われているのが、クイーンズとマンハッタンをつなぐ全長1km以上の「クイーンズ・ボロ・ブリッジ」。コースの中間点を少し過ぎたところにあるこの橋は、風も強く応援も少なくなってしまうため気がめいります。しかし、マンハッタンに入るとまた熱狂的な応援が待っているので、ここはふんばりどころです。

 マンハッタンに来てしまえばこちらのもの。1番街の直線コースはとにかく感動の連続ですが、これについては「魅力その2」でご紹介します。

 最後はブロンクスへ、そしてマンハッタン、セントラルパーク! セントラルパークに入ると、アップダウンが疲れた足にダメージを与え、マンハッタンの美しい景色が近そうに見えてとても遠く感じるのですが、ここまでがんばってきたんだ、という気持ちになることでしょう。

ブルックリンからクイーンズへ渡る(2014年、Courtesy NYRR)
 
ブルックリンへと流れ込むランナーら(2014年、Courtesy NYRR)


魅力その2…ニューヨーク全体でランナーを応援! 主役気分が味わえる!

マンハッタンへと抜けるクイーンズ・ボロ・ブリッジに入る(2014年、Courtesy NYRR)

フィニッシュを祝うランナーたち(2014年、Courtesy NYRR)

 観客が250万人とも言われているTCSニューヨークシティー・マラソン。走っている人、見ている人、ボランティアの人、そこにいるすべての人が本当に楽しみ、幸せになれる大会です。一番感動するのは、25km過ぎ、マンハッタン1番街の応援だと思います。コースに近づくとだんだんと歓声が大きくなっていくのですが、橋の手前からそれがまるで地響きのように鳴り、入った瞬間「うおおおおおーーー!」と、道の両側からサラウンドのような大声援を浴びます。沿道の応援が観客で、自分が人気アーティストになったような、まるでコンサートのようになり、「俺って主役?」な気分を味わえるのです。

 そして、走る際の必須事項と言ってもいいかもしれない、大切なこと。それは胸に自分の名前をつけることです。簡単な布に大きく名前を書いて、それを貼ってもいいのですが、一番簡単なのは、はがれにくい布製の白いガムテープに油性ペンで書いて、それを貼る方法。数え切れないくらい名前を連呼してもらえます。日本の市民マラソンではまだ、自分が知らない人に大きな声援を送る文化は育っていませんが、ニューヨークの人たちは自分たちが知らないランナーにも「○○○! You can do it!」「Go! ○○○!」と大きな声援を送ってくれます。名前を呼んでもらって応援されることが、いかに走る際のエネルギーになるかを実感するでしょう。

 完走後はなんと、ゼッケンをつけていれば無料で地下鉄に乗れてしまいます。レースを走りきったランナーをニューヨーク市民がリスペクトしていることの表れですね。

 また、ゴール翌日はフィニッシャーグッズを販売する「マラソンMONDAY」がセントラルパークのフィニッシュ地点で開催されます。完走メダルの後ろにタイムや名前を刻印してくれるうれしいサービスもありますので、利用してみてはいかがでしょうか。

 初心者は無理せずゆっくり走って、声援を体いっぱいに浴びてエネルギーをもらうくらいの気持ちで走ってみることをおすすめしますが、コースは過酷です。1970年から開催されているという非常に伝統あるレースに参加するために、きちんと練習を積んで臨んでいるランナーが多いので、ゴールのピークも4時間半前後程度です。いくら制限時間がない、応援がとぎれることがないといっても、ランナーが多く、応援も一番盛り上がるところで走りたいですよね。レースを心底楽しむためにも、日本での練習はしっかりしていきましょう。

 ▽大会基本情報
 開催地 アメリカ合衆国 ニューヨーク州
 開催時期 毎年11月第1日曜日
 競技種目 フルマラソン
 規模 参加人数 5万人程度
 制限時間 なし
 公式サイト http://www.nycmarathon.org/

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