歌手 吉幾三さん
一病息災
[歌手 吉幾三さん]腸の病気と肝炎(4)人生の節目で病気 家族に感謝
故郷の東北を襲った大震災では、人一倍、被災地の応援に入り、復興支援コンサートも続けた。被災した友を思う歌「忘れない…」も作り、歌っている。
病魔はなおも襲ってきた。2012年12月、2回下血した。30歳代から病んでいた大腸のポリープが破れたためだ。出血が治まると、「酒もたばこも禁止」と医者に約束し、その月に予定されていた米サンフランシスコでのディナーショーを行った。
だが2か月後、長年の働き過ぎと気苦労からか、心臓病で緊急入院した。脈が遅くなる「徐脈性」の不整脈だった。「当時は1曲歌うのが一苦労。心拍数が正常の人の半分くらいに落ちていたから、息切れ、めまいで大変でした。呼吸困難にもなった」
手術を決意し、心臓にペースメーカーを入れた。体調が回復し、一昨年のデビュー40周年公演を乗り切った。「人生の節目によく病気をしたけれど、家族や友達に支えてもらい、感謝しています」。妻へのラブソングを歌い始めた。
月の3分の1は古里青森で暮らし、家族との時間を大切にしている。健康維持のため、毎日1万歩を目標に歩く。ウイスキーのボトルを軽く一晩で空けていた酒豪も、休肝日を設けるようになった。(文・斉藤勝久、写真・池谷美帆)
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歌手 吉 幾三(よし いくぞう)さん(62)
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