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(3)負担かかる感染症、便秘…

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 感染症にかかると心臓への負担が大きくなる。

 風邪をひくと、体内に入った病原体を排除しようと全身で炎症反応が起こり発熱する。そうなると代謝が活発になり、心拍数も増え、心臓にかかる負担は大きくなる。炎症が起こると、血液を固める働きがある物質も増え、心筋梗塞などを発症する危険が高まる。

 東京医大病院(新宿区)循環器内科教授の山科章さんは「寒くなって感染症も流行する冬場は、心臓に負担がかかる要因がたくさんある。うがい、手洗いなどをしっかり行い、感染予防に努めることが大切」とアドバイスする。

 昨年10月、高齢者が対象の「肺炎球菌ワクチン」が定期予防接種になった。肺炎球菌は鼻やのどの奥につきやすく、肺炎を起こす要因。定期接種は、65歳以上の人が5歳刻みで対象になる。60~64歳の人でも、心臓などが悪い場合は対象になる。該当する人は、きちんと接種しておくことが望ましい。

 ほかにも、心臓が悪い人は、日常生活で気をつけたい点がいくつかある。水分、塩分の取りすぎは、心不全を誘発する。全身の血液の量が増え、心臓の負担になるためだ。激しい運動も控えた方がいい。

 便秘も良くない。便が出にくくなると、排便時に強く息む必要があり、血圧が高くなる。トイレが寒いとなおさらだ。山科さんは「食物繊維を多く取るなど便通を良くする心がけをしてほしい。しゃがんで用を足す和式トイレよりも洋式トイレの方が力みが減って良い」と助言する。(利根川昌紀)

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