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いのちに優しく いまづ医師漢方ブログ

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より良い医療を届けるために…チーム医療に漢方を

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 私が住んでいる東京都港区では2月13日(金)、「第7回 健康長寿!in みなと」が区立介護予防総合センター(ラクっちゃ)で開催されます。この催しは高齢者が地域でいつまでも元気で暮らしていくために、元気作り(介護予防)についての知識を体験や講演を通じて知っていただく目的で毎年、開催されています。

 今年は、私も講師として参加させていただくことになりました。午後1時20分から、「漢方で、元気に明るい老後を」と題して1時間お話しする予定です。入場無料ですので、お時間がある方はぜひお越しくださいね。お待ちしております。

 先日、長野赤十字病院へ行ってきました。長野駅までは、東京駅から新幹線で1時間余り。話によると、例年よりも雪の量が多いそうです。

 長野赤十字病院などの「がん拠点病院」では、チーム医療が活発に行われるようになっています。チーム医療とは、医師、薬剤師、看護師など、医療従事者がそれぞれの専門分野の知識と経験を持ち合って行う医療です。チーム医療のメンバーには、管理栄養士や理学療法士、医療事務も加わり、患者さんの栄養面やリハビリ、経済面にも対応できるようになります。

 訪問した目的は、長野赤十字病院で開かれた「第55回がん診療研修会」で、「がん治療と漢方」と題して、講演させていただくことでした。多くの方に参加していただき、活発な討議が繰り広げられました。

 いつもクリニックで診療を行っている私には、病院が行うチーム医療の重要性がよく分かるのです。しかし、病院に勤務する医療従事者は、チームで行う医療の素晴らしさがなかなか実感できないのではないでしょうか。

 たとえば、医師の目では見逃してしまうような問題点を看護師が見つけてくれたり、いろいろな薬の飲み合わせを薬剤師が細かく確認してくれたりと、それぞれの役割を組み合わせることで、患者さんにとって素晴らしい医療が実現できるのです。

 このチーム医療に漢方医学を組み合わせることが、今回の目的でした。漢方医学は、血液検査やレントゲン検査がない時代に発達した学問です。聴診器や血圧計を使わないで、患者さんの状態を把握することができます。医師のみならず、薬剤師、看護師、管理栄養士、理学療法士など、どの医療従事者も漢方医学を学ぶことで、患者さんの状態を理解することがよりできるようになります。

 今後ますます医療が発達し、最先端医療が行われる中で、漢方医学を学び、チーム医療に活用することで、患者さんにとってより良い医療が行われるようになることを心から願っています。3月14日には北陸新幹線が開業し、金沢まで2時間半で移動することができるようになります。距離と時間の関係が変わる中で、昔から伝わっている日本独自の伝統医学である漢方医学がますます重要になってくると思います。長野赤十字病院のみなさん、頑張ってくださいね。応援していますよ!

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いまづ医師の漢方ブログ_顔120

今津嘉宏(いまづ よしひろ)

芝大門いまづクリニック(東京都港区)院長

藤田保健衛生大学医学部卒業後に慶應義塾大学医学部外科学教室に入局。国立霞ヶ浦病院外科、東京都済生会中央病院外科、慶應義塾大学医学部漢方医学センター等を経て現職。

日本がん治療認定機構認定医・暫定教育医、日本外科学会専門医、日本東洋医学会専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医

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